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有元美津世のGet Global!

英語の語彙力アップ2017.12.19


 前回、紹介したKさんのブログ「目指せ!在宅翻訳者」で、ご自分の経験を基に語彙力強化(ボキャビル)について語られています。

 翻訳のためにしろ英会話のためにしろ、試験対策以外には、私は単語の暗記はあまり効果がないと思っています。単語は文脈の中で覚えないと、使い方を学べないからです。下記で述べるように、多読して自然に身に着けるのが一番だと思っています。

 著書『英語は7つの動詞でこんなに話せる』や『ロジカルイングリッシュ』でも書きましたが、英単語ひとつに対しひとつの対訳に固執すると、英語力はなかなか上達しません。翻訳の場合にも、的確に訳すには、文脈の中で判断する必要があります。

 ただし、専門用語の場合、訳す言語でも対になる単語があるので、暗記も役に立つでしょうし、産業翻訳の場合、翻訳時間の短縮のために、自分の専門分野の専門用語をまとめて覚えた方が効率がいい、というのは理解できます。

 

文脈から


 私は、試験対策以外には、単語の暗記はしたことがありません。そんな無味乾燥とした作業は耐え難く、私には続けられないからです。

 渡米した当時、アメリカの大学で、毎週、3冊ほど本を読んでレポートを書かないといけませんでしたが、わからない単語を毎回、辞書で調べていたのでは、本を何冊も読んでレポートを書いている暇は到底ありません。どうしても理解しておかないと文脈がつかめない単語を除いては、だいたいの感覚で文脈から把握するしかないのです。

 知らない日本語の単語に出会ったとき、辞書で調べなくても、文脈で、だいたいの意味はわかりますよね?(翻訳の場合、正確さが求められますので、辞書などで意味の確認は必要ですが。)

多読して、実際に使う


 多読については、以前、書きましたが、Kさんの場合、英語力向上の一環として、英語学習者向けGraded Readerを使って多読されていました。これは非常にいい方法だと思います。初めから洋書の原書に挑戦すると、知らない単語が多すぎて(小説などの場合、難解な文章も出てくるし)挫折して続かない可能性があるからです。

 さらに、お勧めするのは、新しい単語を学んだら、SNSなどに投稿して、すぐに使ってみることです。Kさんのように英語でブログを書いて、そこで新たに学んだ表現を使うのもいいでしょう。言語は、そうすることで体得できるのです。口をすっぱくして言いますが、言語は、母国語でも使わないと忘れてしまうので、身に付けるには使うしかないのです。

 そして、Kさんのように、読んだ後、英語で書評を書けば、英語で読んで内容を英語でまとめる力、ライティング力を上達させるのに役に立つでしょう。

 

 なお、Kさんは、産業翻訳者になるという目標を見事、達成したので、「目指せ!在宅翻訳者」ブログは、今年いっぱいで終了するそうです。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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