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有元美津世のGet Global!

ラオスでボランティア2018.06.19


 長年、ラオスのインフラ整備などに貢献してきた日本は、ラオスにとって最大の援助国であり*、50年以上前に、青年海外協力隊が初めて派遣された国はラオスだそうです。

 ラオスで活躍している日本のNGOやNPOもあり、そうした組織が現地駐在員を募集していることもたまにあります。ちなみに、日本国内でラオス支援のボランティアを募集している団体はたくさんあります。

 また、ラオスの山の村に図書館を設立したり、子供たちに無償でパソコンや日本語を教えたり、ラオスに移住して支援活動をしている日本人もいます。すぐには無理としても、将来的に「自分で支援プロジェクトを立ち上げる」というオプションもありそうです。

8000万の不発弾


 カンボジアの地雷は世界的にもよく知られていますが、ラオスの不発弾のことは知らない人が多いのではないでしょうか。

 ベトナム戦争時、ラオスには米軍によって200万トン以上の爆弾が落とされました。一分に8発の割合で、第二次世界大戦で使用された爆弾の倍以上であり、歴史的に国民一人当たりの爆弾投下量が世界一なのがラオスだそうです。

 その多くが多数の子弾を内蔵する(無差別的に広範囲に被害を与える)クラスター爆弾で、ラオス国土の4分の1に今も8000万ほどの不発弾が残っているといいます。不発弾によって、1994年から2008年の間に5万人以上が死傷しており、その半数以上が子供です。

 ラオス政府は、1996年に不発弾処理のための機関、UXO Laoを創設し、処理を開始しました。しかし、山岳部への投下が多く、かつ除去費用に100ヘクタールあたり2000万円もかかることから、20年経った今も全体の1%ほどしか進んでいないそうです。不発弾の処理には、あと200年かかるとも言われています。

不発弾処理を支援する日本のNGOも


 ラオスの不発弾については長らく世界に知られていないかったのですが、2010年にオスロ条約(クラスター爆弾禁止条約)の第1回締約国会議が首都ビエンチャンで開かれて初めて、その存在が広く知られることになりました。  

 なお、クラスター爆弾使用を禁止するオスロ条約には、現在108ヵ国が批准していますが、アメリカは、ロシア、中国、イスラエルなどと並び、批准していません。

 2年前、オバマ大統領が現役大統領として初めてラオスを訪問し、不発弾の処理費用として約9000万ドルの支援を表明しました。しかし、ラオスに米軍がこれだけの爆弾を落とし、今も不発弾が残っていることは、アメリカでは知られていません。

 これまで、ラオスでの不発弾処理を支援してきた外国組織は日本とヨーロッパのNGOが中心だそうです。ラオスだけでなく、世界各国の地雷問題の啓発や除去支援活動において、日本国内でインターンを募集しているNGOもあります。

 不発弾除去支援は、ラオス現地に行かなくてもできることはありますので、興味のある人は、ぜひ検討してみてください。


 

* 2014時点では日本が最大の援助国でしたが、最近は中国の方が援助額が上回っていると思われます。中国と国境を接するラオスは、中国の一帯一路構想にとって欠かせない存在で、中国はラオスで莫大なインフラ投資をしています。 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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