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有元美津世のGet Global!

連休中も転職活動2019.05.07


   10連休が明け、「仕事に戻りたくない」「このままghostしたい」と思った人も少なくないのではないでしょうか。グーグルの検索候補にも「連休明け 仕事 行きたくない」と出てくるくらいです。人事コンサルティング会社のアンケート調査では、「連休明けに会社に行きたくないと思ったことがある」と答えたビジネスパーソンは80%に達しています。(そう思わない人もいる方がビックリ?)

 一方、先月、人材紹介会社が行った調査では、求職者の65%が「10連休中も転職活動をする」と答えたそうです。その多くが「求人探し」や「応募活動」ですが、連休中に「面接がある」という人も30%を超えていました。

 就職活動というのは時間を要しますから、平日仕事をしながら行うというのはなかなか難しいでしょう。「連休中に活動したい」というのはうなずけます。

続く売り手市場


   さて、その転職市場ですが、厚生労働省によると、2018年を通じた平均有効求人倍率は1.61倍で、2年前に比べ、さらに上昇しています。今年に入り1~3月は毎月1.63倍と横ばい状態ですが、45年ぶりの高水準が続いています。

 民間の転職支援企業数社が発表する転職求人倍率も、今年3月時点で2.17倍で、2年前より増えています。業種別では、「IT・通信」がずば抜けて高く6倍以上、つまり求職者一人に対し求人が6件以上あるということです。職種別では、技術系(IT・通信) が7.95倍、専門職が6.62倍と突出しています。

 IT系では、業務系アプリケーション、インフラエンジニア、Webサービス系のエンジニアの採用がとくに活発だそうで、未経験者を積極的に採用するシステムインテグレータもあるようです。

 Daijob.comのグローバル転職求人倍率を見ると、* 3月は1.46倍で、やはり2年前より上昇しています。職種別では「総務/人事/法務」(5.75倍)、以前から倍率の高い「メディカル/医薬/バイオ/素材/食品」(5.38倍)、そして「クリエイティブ(インターネット関連)」(5倍)の順に高く、「電機技術系」「財務・会計系」「IT技術系」も、ずっと高い倍率が続いています。

事務職に将来はない


 上記の民間の転職支援企業数社が発表する転職求人倍率では、一番低い職種が、以前と同様「事務・アシスタント系」で、唯一、求人数より求職者の方が多くなっています。

 近年、大手銀行が次々と業務を自動化し(RPA=Robotic Process Automation)、新卒採用数も抑制していることが報じられています。来年の採用数は、2008年の金融危機以降、最小になるそうです。それなのに、女子学生の半数は、未だ事務職希望と言われます。元々、求人数が少ないところに、求職者が多いのが事務職の求人倍率が突出して低い原因です。

 企業の採用担当者に『事務職は減っていてITやロボットにやってもらう時代になっています』と言われて、失望する女子学生もいるようですが、時代の変遷を理解していないのが丸出しです。「ワークライフバランスが取りやすい」ということで人気の事務職ですが、職自体がなくなってしまえば元も子もありません。

 業界の将来を見抜けなかったHさんは、中年になり、その業界を選んだことを後悔しました。事務職の将来は、すでに見えています。事務職希望の皆さん、今後、さらに狭まる門に(落とされても落とされても)挑戦するエネルギーがあるのであれば、ぜひ他の職種に挑戦してみてください。

* 倍率の定義は「2ヵ国語以上の言語において、ビジネスレベル以上のスキルを条件とする求人と、そのスキルを持つ転職希望者の需給バランスを算出したもの <転職求人倍率=求人数÷転職希望者数> 」

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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