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有元美津世のGet Global!

観光地で増えるマルチリンガル2019.05.21


 日本が10連休の間、中国も労働節(Labor Day/May Day)で5月1日から4連休でした。消費促進のために、中国政府が2日延長したそうです。そこで、労働節の連休で国内外の旅行をした中国人は、昨年比14%増で、2億人近くに及んだのこと(日本の人口の倍近く!) 海外の人気渡航先は、相変わらず、タイと日本が上位2位を占めています。

 一方、訪日観光客は、2018年に3000万人を超え、今年に入り、記録を更新続けています。私のアメリカの友人知人も、昨年2組、初めて訪日し、さらに今秋一組、訪日予定です。ロシアの友人も、今年か来年に日本を訪れようと、今から計画しています。

複数の言語を操る店員たち


 昨年6月に東京や京都を旅行したアメリカの友人は、中国生まれでパキスタン育ちの米国籍。大学進学のためにアメリカに渡り、その時の日本人クラスメートとも、久々に日本で再会したようです。  

 彼女は、両親とは北京語で、香港出身の夫やアメリカ生まれの息子とは英語で会話します。訪日中に、大阪で駅員に英語で道を尋ねたら、返事が中国語で帰ってきたそうです!  

 私は、数年前に、中東からの観光客に英語で長々と説明をしている大阪メトロの駅員を見かけたことがあります。JRのみどりの窓口のスタッフも普通に英語を操っていますし、最近では新幹線内では肉声での英語案内も始まっています。

 駅や車内だけでなく、観光地でも、数年前に比べても、外国語を操る人たちが確実に増えています。大阪ミナミと同じくらい観光客で溢れかえる京都では、英語で対応する店員はゴロゴロいますが、相手に英語が通じないとわかると、北京語に切り替える日本人店員も! 英語や中国語はペラペラというわけではないかもしれませんが、目的は販売・接客なので、それに必要なだけの会話は数カ国語でできるようです。

 最近は、おみくじも、日本語以外に、英語、中国語、韓国語の四か国語で対応しており、アッパレです。

 「日本人は英語が話せない」という人が多いですが(話せる人が言うならわかるが、話せない人が言うのは、自分の語学力の無さを肯定したいのか、「みな一緒」の安心感に浸りたいのか)、必要性に迫られた人たちは、どんどん話せるようになっています。取り残されているのは、必要性に迫られていないアナタ...

  

<余談>

 先の友人は、東京で撮った写真をフェイスブックに載せたところ、中国の小学校時代のクラスメートから「私、今、大阪にいる!」とメッセージが来て、急遽、大阪で何十年ぶりかの再会を果たしたそうです。その元クラスメートは大阪が大好きで、何度も訪れており、どこの店がお得か、どこの店がおいしいかも、よく知っているとのこと。

 私の友人の家族親戚は皆、治安が悪くなったパキスタンから引き上げており、妹さんは南京在住、いとこは上海在住なのですが、二人とも日本(大阪)が大好きで、何度も訪れているそうです。(訪日観光客の60%以上が、訪日二回以上のリピーター。)

 私の友人も、初めての訪日で日本を気に入り、(香港出身の)旦那さんは「日本にセカンドハウスを買おうか?」とすら。

 関東の人には知らない人がいますが、観光客の17%が欧米豪を占める東京とは違い、大阪の観光客は90%以上がアジアからです(83%が東アジア、10%が東南アジア)。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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