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有元美津世のGet Global!

日本人だけじゃない ― 英語学習者に共通する間違い(4)2019.06.25


 前置詞も、各国の英語学習者を悩ませるもののひとつです。ロシアのE友、ナディアも、よく下記のような文章を送ってきます。

 

X   I’m thinking to find a native speaker. *

〇 I’m thinking of trying to find a native speaker. または…looking for a native speaker.

 (ネイティブスピーカーを探そうと思っている。) * findとlook forを混同している。 

X  Are you thinking about to buy the new laptop?  

〇 Are you thinking about/of buying a new laptop?

 (新しいラップトップを買うつもり?) 

 これは” think of/about名詞/動名詞…”のように、動詞+前置詞の組み合わせで覚えるしかありません。これも、日常的に使っていれば、自然に身につくものなので、やはり海外にE友を作るなどして、日常的に英語を使う環境を意識的に整えるしかないでしょう。

冠詞


 冠詞がないのは、日本語だけではありません。アジアの言語は、もちろんのこと、印欧語にも冠詞のない言語が珍しくなく、ロシア語も、そのひとつです。そのため、ナディアが送ってくる文には、下記のように、たいてい冠詞がありません。 

×  He’s strange guy.  →  He’s a strange guy.  (彼は変わってる。変わった奴。)

×  She’s kind person. → She’s a kind person. (彼女は親切。親切な人。)

 

 たまに、冠詞が入っていると間違っていたり…

×  How was a party?  →  How was the party? (パーティーは、どうだった?)

 上記は、私の下記のメッセージに対する返信なのですが、

 I went to a sushi party on Saturday.   (土曜に鮨パーティーに行った。) 

上記では、パーティーが初めて話題にのぼるので、不定冠詞が使われ”a party” ですが、ナディアの返答では、私が行った「特定の鮨パーティー」について質問しているので、”the party”でなければなりません。

 逆に、先述のラップトップに関する例文では、「私が使っているラップトップが壊れた」という話から「新たに買う」という話題になり、まだどれを買うか決まっておらず、「特定のラップトップ」の話をしているわけではないので、不定冠詞を使って”a laptop”でなければならないのです。

 冠詞をマスターするには、ネイティブレベルの英語力が必要で、気が遠くなるような道のりです。ただ、上記の文章のように、冠詞がなくても、たいてい意味は通じるので、コミュニケーション上は大した問題は起こりません。

 私も、冠詞に関しては、ナディアに「間違ってるよ」とはイチイチ言いません。ナディアには、他に学ばなければならない基本的なことが多々あるので…  皆さんも、冠詞のことはあまり気にせず、ナディアのように、どんどん発信しましょう。
 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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