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有元美津世のGet Global!

テレワーク(5)転職者に人気、テレワーカー向けビザも2020.07.14


 日本でも、テレワーク推進企業が転職者に人気だそうで、ネットでは「リモートワーク可能な転職」「テレワークの求人」といったリストが出てきます。今の職場でテレワークが許されない人には、「テレワークができる職場に転職したい」という人もいるようです。

 Daijob.comのグローバル求人で検索しても、「柔軟な働き方が可能」「在宅勤務が可能」「フレックスタイム制」といった求人が結構ありますが、大半が日本企業の求人です。

 やはりIT業界、IT職が多いのですが、ITでなくても、「ほぼ全員が在宅勤務制度を利用」「このポジションでは在宅勤務率80%」といった企業や職種もあります。

 さらに、「Web面接可」という求人が増えました。海外勤務の場合、まだ外国人入国禁止の国が多いので、新人研修はオンラインで行うという企業もあります。

100%リモート企業


 日本にも「オフィスなしで100%リモート」というスタートアップ企業がありますが、世界には「100%リモートで、世界のどこからでも働ける」という企業があります。もちろん、日本在住でも勤務可能です。

 1200人以上の全社員がリモート勤務というGitlabは、オープンソースソフトの開発で日本でも知られています。65ヵ国以上に散らばる同社社員には、日本在住の社員も含まれています。世界のフリーのソフトエンジニアを企業とマッチングするToptalも、500人以上のコア社員が60ヵ国以上でリモート勤務をしています。

 「やっぱりIT企業ばかりだよね」と思う人もいるでしょうが、上記の企業は100%リモートですから、当然、技術職以外のポジションもあります。とくにマーケティング関連が多いのですが、ライターやエディター職なんかもあります。(マーケティングもライティングも、ネイティブ並みの英語力が必要ですが...)

 皆さんが、お世話になっているであろうウィキペディアを運営するWikimedia Foundationも、大半がリモート職です。

テレワーカー向けビザ


 さらに「テレワークしながら海外で働きたい」という人には、テレワーカーを歓迎する国も出てきています。

 エストニアでは、今週、世界初と言われるノマドワーカーを対象とした「デジタルノマドビザ」の発給が始まります。

 ヨーロッパでは、ドイツやチェコ、スペインなどフリーランサー向けに長期ビザを提供する国は以前からあったのですが、企業に勤務するテレワーカー向けではないのです。エストニアのビザは、フリーランサーでも企業勤務者でも申請可能という点が異なります。

 ヨーロッパ(シェンゲン圏)には、圏外からの訪問者はビザなし(または観光ビザ)で90日間滞在できますが、180日間に90日しか滞在できないのが、長期滞在を望むノマドにとってネックだったのです。

 一方、アメリカの保養地、カリブ海では、(コロナの感染拡大が止まらず、大半の国から入国を禁止されている)アメリカからの観光客も受け入れている国が大半です。そのひとつ、バルバドスでは、先週から海外からの観光客受け入れを再開しましたが、テレワークしながら一年滞在できるビザを発行するそうです。

 人口29万人のバルバドスの累計感染確認者数は98人、死者は7人。観光業は同国のGDPの12%を占め、民間では最大の雇用の受け皿であり、観光業の再開は同国の経済にとって急務なのです。 

 「どこで働いてもいいのなら、わが国にいらっしゃいませんか?」と、今後、テレワーカー向けのビザを発行する国が増えそうです。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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