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有元美津世のGet Global!

コロナウイルス関連英語表現集(14)マスク反対派、マスク警察、Mask Up2020.09.01


 コロナウイルスの再燃で、ヨーロッパでもマスク着用を義務付ける国が増えると同時に、それに対する抗議活動も増しています。アメリカでは、経済再開が始まってからずっと「公共の場でマスク着用を強制されるべきか否か」の論争が行なわれており、大統領選にまで影響が及んでいます。

 パンデミック発生当初、米CDCや米国立アレルギー感染症研究所はマスク着用を推奨していなかったのですが、経済再開後、感染爆発が起こり、方針を転換。次々にマスク着用を義務付ける自治体や州が増え、今では(アンチマスクの多い保守系の州を含め)35州、実に7割近くがマスク着用を義務付けています。(義務付けていない州でも、郡や自治体レベルで義務づけているところあり。)*

 法律で義務付けた州政府では(リベラル派州でも)、マスク反対派から違憲として提訴されているところもあります。入店時にマスク着用を促す従業員と買物客との間でいざこざが起こり、暴力事件に発展するケースもあるため、8月末には、CDCが「小売店従業員は、マスク着用を拒否する人には逆らわないように」と勧告したくらいです。

 「マスク論争」というより「マスク戦争(Mask War)」が繰り広げられているのです。

 そこで、今回はマスクに関する英語表現を取り上げたいと思います。英語では「マスクをつける人」「マスクをつけない人」「マスク反対派」というのを一語で表せます。

マスク非着用者・マスク反対派


 先月、ハリウッドスターが、コロナで入院している妹がコロナに感染したのは「マスクを着用しない人”non-mask wearer”のせい」とインスタグラムで怒りを露わにしました。

One of you non-mask wearers did this. (妹がこうなったのは、マスクを着けないあなたのせい。)

   日本語でも「アンチマスク」という表現が使われていますが、英語でも形容詞として使うなら”anti-mask”、「マスク反対派」であれば”anti-masker”です。

Anti-mask protesters explained why they refuse to wear masks.
(マスク反対派の抗議者は、なぜマスク着用を拒否するのかを説明した。)

The CDC is warning retail workers not to argue with anti-maskers.
(CDCでは、マスク反対派には逆らわないように小売業従業員に喚起している。)

マスク着用者


 反対に、「マスクをつける人」は、上記の表現からnonを取り、”mask wearer”で表せます。

The number of mask wearers in the US has dramatically increased thanks to mask mandates. (アメリカでは、マスクが義務付けられたおかげで、マスクをつける人が劇的に増えた。)

Some mask-wearers have been ridiculed or attacked in public.
(マスクを着けていると、公の場でバカにされたり、襲われたりする人もいる。)

  「マスク着用」は、”mask wearing”と表すこともできます。

Some people consider mask wearing a sign of weakness in the US.
(アメリカでは、マスク着用は弱さの表れだと考える人たちがいる。)

Mandatory mask-wearing is becoming the norm in Europe.
(ヨーロッパでは、マスク着用の義務付けが標準になりつつある。)

マスク警察


 アメリカでも、”意識高い系”と言われる店では、以前から入口にマスク着用を監視する従業員(mask police)が立っていました。”意識高い系”の店では、来店客もマスクをしている人が多いので、あまり騒動にはならないようです。

Businesses shouldn’t have to be the mask police.
(店がマスク警察の役割を負わされるべきではない。) business = 事業、企業、店

Union leaders say to stop turning retail workers into mask police.
(労働組合幹部は、小売業従業員をマスク警察にするのはやめるように訴えている。)

 なお、アメリカでは、ごく一部ですが、マスクをしていると入店を断られる店もあり、下記のような表示が掲げられています。

No Mask Allowed(店内マスク禁止)

Mask Up


   “Mask”を動詞として、下記のように使うことも可能です。マスク着用を広めるために、ハッシュタグ #MaskUpを使ったキャンペーンも行われています。

Some Americans refuse to mask up. (マスクを着けるのを拒否するアメリカ人がいる。)

 

 

 


* 「日本でも義務付けるべきだ」という人がいるが、マスクへの抵抗レベルが違う。アメリカの場合、毎日コロナで1000人ほどが亡くなっているのに、義務付けないとマスク着用が定着せず、法律で義務付けても、しない人たちが結構いる(違反者に近距離で切符を切る警官を含め)。義務付けられている州のジムでも、「マスクを着用してください」と何度、館内放送をしても着けない人が多数。ちなみに、アジア系は、ほとんど皆、つけており、アジア系スーパーや飲食店では、法制化以前からマスク着用を義務付けていた。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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