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タカシの外資系物語

外資流! リーダーが備えるべき定量的要件とは?(その3)2017.12.05

再挑戦させる組織へ


(前回の続き)リーダーシップを、具体的・定量的に把握するには?! 今回は、外資におけるリーダーシップ関連の取り組みを、私自身の体験の中からお話ししたいと思います。


本題に入ります前に・・・、前回のコラムで触れた大相撲問題について、一言コメントしたいと思います。私は前回のコラムで、「横綱・白鵬のリーダーシップは卓越している」と書きました。現時点でもこの考え方は揺るがないのですが、現実には、彼の想いとは裏腹に、日馬富士は引退に追い込まれ、貴ノ岩は所在さえわかっていません。

 

暴力は絶対にいけないことだし、しかるべき処罰を受けるのは当然のことでしょう。それはそれとして、当事者同士の話し合いの中で、例えば示談で処理するといった対応もありえたのではないか。また、これは結構ウルトラCなんですが、日馬富士をしばらく謹慎させて、大関に格下げして再挑戦させるオプションを提示する、なんてことを考えてもいいんじゃないか。

 

大相撲は、日本の国技です。国技であるがゆえ、最高諮問機関である横綱審議会には、多くの民間人=各業界のリーダーおよびその経験者が関与しています。ダイナミックに変化するグローバル社会の一員として、日本社会も日々変化している中、相撲界も常識を持って、変わっていく必要があると思います。そのために関与している民間人なのに、「コンプラ一発アウト、ダメダメ、即退場!」の一辺倒しか言えないというのは、いかがなもんか。ここで、再挑戦の可能性を提示できない社会というのは、そう遠くない将来において、AIによる人間淘汰の社会を形成する可能性が極めて高いと危惧しています。

コンプラに敏感であること、それは経営の最先端なのではなく、当たり前のことなのです。コンプラを超えて、大きな包容力と受容性を有する社会こそ、評価されるべきなのではないでしょうか。

 

最後に一言、貴ノ岩を潰してしまうようなら、私は許しません。関取としての彼を、また、モンゴル人としての彼を、助け上げられない組織なら、いっそのこと、相撲協会など解体してしまった方がいいと思います。

組織の新陳代謝とリーダーの関係


さて、本題に入りましょう。リーダーに求められる要件の1つに、組織の変革 高いパフォーマンスの維持 というのがあります。組織というのは、絶えず、新陳代謝が必要なわけですが、リーダーと組織の新陳代謝との関係について、大きな誤解が存在しています。それは、

 

リーダーの変更 = 組織の新陳代謝 ・・・ ではない!

 

ということです。リーダーの変更というのは、組織における新陳代謝の “始まり” に過ぎません。リーダーを変えることで、そのリーダーがいかにして、組織を作り替えていくか? その結果、新陳代謝が起こって、業績が好転していく・・・ というシナリオなわけですから、リーダーが変わったから一安心、ではなくて、変わってからが本番なのだという意識で、きっちりモニタリングをしていく必要があるのです。

 

では、組織変革という観点において、リーダーが持つべき具体的・定量的要件とは何でしょうか? 「成果≒収益上げれば、それでいいじゃん!」 ま、そりゃそうなんですけど、それでは結果が出てからしか評価ができないことになります。かつ、科学的ではない。よって、成果につながる可能性が高い、つまり、これまでの経験則として成果につながってきた、組織変革に関連する施策を、具体的・定量的に抽出・捕捉していく必要があります。

組織運営におけるリーダーのKPI とは?!


これまでに私が所属した、外資系企業の組織では、以下のような KPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)を設定していました。

 

(1)プロモーション率 ・・・ 何人を役員や部長などのマネジメント職に昇進させたか

(2)リリース率    ・・・ 何人をクビにできたか


(1)はわかりやすい話だと思います。外資において、マネジメント層の最大の仕事は、「次の役員を作る(育成する)こと」だと言われています。自分の部下に高い目標値を設定させて、ストレッチさせることで、個人の育成をはかる。その集合体として、組織の業績向上につなげるということで、合理的な話だと思います。

 

一方、(2)は超・寒い話です・・・ が、外資では当たり前のKPIです。外資では、組織を構成するスタッフのうち下位20%を常に把握していて、“新陳代謝” = つまり、退社して他のフィールドでの活躍を促す を実施します。“代謝” と “退社” が被っていて、笑うに笑えない話なんですが・・・。

 

で、良いリーダーというのは、(2)に対して、どのように対応するか? まず、クビにした人数は、やはり多い方がいい(さ、寒い・・・ブルブルッ!)。考え方としては、

本人にマッチしない企業に長く所属することは、本人にとっても、企業にとっても、
いい結果にならない

 

ことを大義名分にします。大義名分とはいえ、冷酷な話だねぇ・・・ という印象を抱くと思われるかもしれませんが、私は、これはこれで、アリなんじゃないかな、とも思っています。アリというためには、ある条件を満たしている必要があるんですが・・・。さて、その条件とは何か? 詳細は次回のコラムでお話ししたいと思います。

(次回に続く)

 

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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