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タカシの外資系物語

今年一年を表すコトバを振り返って2017.12.26

われわれ日本人が誤解している隣国


先日、その年の世相を漢字一文字で表す、師走恒例の「今年の漢字」が発表され、

 

“北”


に決まりました。“北”朝鮮の脅威に不安を感じた年、また、大谷翔平選手の大リーグ挑戦・早稲田実業高校の清宮幸太郎選手の入団など“北”海道日本ハムファイターズに注目が集まり、競馬界では“北(キタ)”サンブラック が現役最強馬として大活躍したなどが理由とのこと。キタサンブラックは有馬記念も制して、有終の美を飾ってくれましたよね、超強いし・・・。

 

それにしても、やはり気になるのは“北”朝鮮の動向です。国連での制裁措置に対して反抗を繰り返し、アメリカをはじめとする西側諸国に強硬なメッセージを投げ続ける北朝鮮の指導者たち。拉致被害者のご家族も高齢化が進み、何とか打開策を探ってほしい・・・。ある意味、何をしでかすかわからない、トランプ大統領の突破力に期待しているのは、私だけではないでしょう。


一方で、われわれ日本人は、北朝鮮という国を少し軽く見すぎているというか、誤解しているような気がします。もし北朝鮮が、マスコミが報道するような、単なる ならず者国家 ならば、とうの昔に瓦解しているはずなのです。

みなさんは、現在の小中学生が使っている社会科や地理の教科書を眺めてみたことがありますか? 私の頃には、ベルリンの壁・ソビエトのコルホーズやソフホーズ・キューバのカストロ議長など、テストに頻出する社会主義関連のワードが目白押しだったわけですが、今の教科書にはソビエトのコルホーズなど影も形もないし、ベルリンの壁もカストロ議長も、すでに歴史上の遺物・人物となっています。

ところが、北朝鮮は、相も変わらず地理の教科書に載っている。北朝鮮 = 朝鮮民主主義人民共和国という長ったらしい名前を、私と同様に、私の子供が覚えているのです。つまり、無くなっていない! リアルに、そこにある!

それもそのはずで、来年の9月で、北朝鮮は建国70周年を迎えるのです。近現代史において、70年間もの間、国の体制や国名が変化しなかった国は、先進国以外には数えるほどしかなく、そう考えると、北朝鮮はちょっとやそっとでは瓦解しないと考えた方がいい。現指導者である、金正恩にしても、スイスでエリート教育を受けた人物なわけで、ならず者だ、制裁だ、と未成熟な国に対する強硬外交だけで対応できると考えない方がいい。日米韓はじめ関連する先進国は、国力としてのインテリジェンスを駆使して、手を替え品を替え、硬軟織り交ぜた対応が必要なのではないでしょうか。

ムーブメントを起こす最強ツールとは?!


グローバルにおいても、“今年を表す〇〇”というのがありまして、そのいくつかを紹介したいと思います。

 

まずは、有名なところで、米TIME誌が発表している“Person of the Year (今年の人)”。今年は、過去にセクシャル・ハラスメントをうけた経験を公表した女性たち = “The Silent Breaker”(沈黙を破った人たち)を選びました。このムーブメントの発端は、大物映画プロデューサーによるセクハラを告白した女優の アシュレイ・ジャッド(Ashley Judd)による告白であり、人気歌手テイラー・スウィフト(Taylor Swift)などのサポートもあり、一気に世界中に広がりました。

 

このムーブメントの広がりに一役買ったのがSNSでして、過去にセクハラや性暴力を受けた経験を持つ人々のあいだで“#MeToo(私も!)”というハッシュタグをつけて、経験を共有しようという動きが推進されました。2011年にチュニジアで起こった“ジャスミン革命”以来、多くの市民運動は、SNSを梃に短時間で爆発的な広がりを導いてくれます。

これまでなら、声を上げる術もなく、泣き寝入りだったに違いありません。しかし、SNSを活用することで、テイラー・スウィフトのような著名人や世界中の多くの多くの人々からサポートや賛同を得ることができる。もちろん、使い方には注意を要するわけですが、大きな可能性を再確認する出来事だったように思います。

若者よ、時代をquakeせよ?!


もう1つ、オックスフォード英語辞典が2017年を反映する言葉として選んだ“Word(単語)”が興味深いので紹介しておきましょう。それは、
 

“youthquake(若者文化による激震)”

 

という単語。このyouthquake という単語は、造語でして、“youth(若者)” と“earthquake (地震)” の2語を合体させたものなのです。意味は、学生や若者による政治的ないし文化的な動き・反乱を指します。もともとは、1960年代に、ヴォーグという雑誌の編集長だったダイアナ・ヴリーランドが初めて用いたとのこと。みなさん、ご存知でしたか?

 

私自身は、実は相当な違和感を感じずにはいられませんでした。グローバルでは、若者がSNSなどをフル活用して、社会を変革させうるような力を示し始めている。それは、何となくわかります。しかし、日本はどうか? 日本の若者に、それが該当するか? なんだか、日本だけが取り残されているような感覚を覚えるのは、私だけではないでしょう。

 

例えば、日本の若者は、北朝鮮の拉致問題を、どのように思っているのか? 何十年も変わらない、しかし深刻な問題について、実は諦めに似たような感情を持っているのではないか? そんな懸念にとらわれざるを得ないのです。北朝鮮という鬼っ子を作ったのは大人たちで、自分らは関係ない・・・。核戦争は嫌だけど、自分たちにはどうすることもできない・・・。そんな考えが若者の大宗を占める国に、未来などないでしょう。

 

来年は是非、大谷選手や清宮選手、そして陸上100mで日本人初の9秒台を出した桐生祥秀選手のような活躍を、スポーツ以外の場でも見られるような、そんな活気あふれる国であればいいなと願わずにはいられません。

 

読者のみなさん、今年も『タカシの外資系物語』を読んでいただき、ありがとうございました。私も来年は50歳になります。私自身、まだまだ若者には負けぬよう、時代をquake (揺るがす)したいと思います!

 

よいお年をお迎えください! 奈良タカシ

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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