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タカシの外資系物語

ありがとう ‘Finally’2018.06.05

超プラチナ・コンサートに行ってきました!


先日、安室奈美恵さんのコンサートに行ってきました。というか、ついさっき、会場の東京ドームから帰ってきたばかりなので、数時間前に観てきました! というのが正しいのですが(このコラムは、6/3(日)の深夜に書いている)。安室さんは今年の9月で引退! ということで、このコンサート・ツアーがラストになります。よって、タイトルも 『Finally』。チケットなんて超プラチナ、絶対に取れないだろうな・・・と思っていたのですが、チームの若い衆が気合で取ってくれました。Sさん、ありがとう! つうことで、いささか雑感的になりますが、思うところを少し。

このコンサートの観覧レポートを書け! と言われたら(だれも言わないが・・・)、コラム10回分ぐらい必要になってしまいます。プロの批評家としての血も騒ぐし・・・(だれが、プロやねん!)。ごく簡単に、このコンサートの特徴を記載すると、以下のようになります。

 

(1)TK(小室哲哉)さんへのリスペクトが感じられた

(2)全体的に、非常にリラックスした雰囲気を醸し出していた

(3)ファン(観客)のマナーが最高に良かった

 

(1)についてはいろいろ意見があると思うのですが、私は個人的に、プロデューサーとしての小室哲哉さんというのは、やっぱスゴい人だと思うんです。彼以前と以降で、ミュージック・シーンというか、音楽ビジネス自体が、がらりと変わってしまった。そもそも「CDセールス100万枚!」というのが成り立たなくなってしまいましたからね。安室奈美恵さんというのは、プロデューサー小室哲哉が手掛けた最優秀作品であることは間違いないし、レコード・CD世代の最後の名コンビだったわけですから。栄華を極めた人が少し失敗すると、マスコミはじめ、必要以上に叩くわけですが、彼の功績は、もっと評価されてもいいのではないかと思っています。ということで、安室さんの対応には、温かみを感じましたね。

歌詞を間違える理由とは?!


ここ10年ほど、安室奈美恵さんが発表するアルバムやコンサートは、極めてアーティステックで、ある意味、先鋭的になっていました。超一流のダンサーを交えてのステージは、寸分たがわないほど計算しつくされていて、観ていて痛々しいほどにストイックなものでした。これは、彼女自身が憧れていた、マイケル・ジャクソンやジャネット・ジャクソンから連なるもので、ある意味では、彼女こそが、マイケルやジャネットの正統な系譜を継いでいるかのような錯覚さえ覚える出来栄えでした。


安室さんの芸術性は、2015年に発表したアルバム『_genic』で頂点を迎えます。このアルバムは全編英語、CMとかTVドラマのタイアップ曲なし、という、ある意味 “リスクの高い” 作品だったわけですが、私は間違いなく、安室さんのベスト1だと思います。このアルバムを冠した、コンサート・ツアーもしかり。実は私、安室さんの引退の原因は、このアルバム『_genic』とそのコンサート・ツアーにあると思っています。アーティストとして、『_genic』以上のものを作る自信がない、『_genic』で全てを出し尽くした、もう思い残すことはないので引退する・・・、真相はそんな感じではないかと勝手に考えています。


安室さんのストイックな芸術性に関して、こぼれ話を1つ。安室さんの代表曲に『Fight Together』というのがあります。アニメ「One Piece」 の主題歌にもなった曲なので、ご存知の方も多いと思います。この『Fight Together』、私も大好きな曲の1つでして、ここ数年来、コンサートでもよく歌われています。

 

で、安室さん、コンサートで『Fight Together』を歌う時に限って、歌詞をめっちゃ間違えるのです(その様子は、YouYubeとかにもアップされています)。それ以外の曲は、歌詞もダンスも完璧なのに・・・。なぜか? それは、

 

チームプレーではなく、ソロで歌うので、思わず気が抜ける

 

です。おそらく間違いない! 大半の曲は、バックダンサーと一緒にパフォーマンスするので、完璧で間違えたりしない。一方、『Fight Together』は、アンコール時に歌われることも多く、ダンサーなしのソロで歌うので、手を抜いているわけではないのですが、ホッとしちゃうのでしょう。


全然レベルが違いますけど、こういうのって、普段の仕事でもよくありませんか? チームで提案書作って、いざプレゼンってときに、みんなで気合入れて作った部分は完璧にこなすんですが、それ以外の個人プレー部分で失敗する・・・、ま、人間ですから、それも含めて面白いってことですね。

日本人が失ったものと持ち続けるもの


安室さんの引退によって、われわれ日本人は、ある “機会=チャンス” を失うことになりました。それは、

 

世界に通じる日本人アーティストを輩出する可能性

 です。

 

日本ローカルで見れば、安室さんと同等クラスのコンサート動員力を誇るアーティストは、複数存在すると思います。サザンしかり、ミスチルしかり。B’zもそうでしょうね。しかし、世界で通用するかというと、やはり一番近い場所にいたのは、安室さんではなかったかと思います。

ま、こればっかりは、本人の意向もありますんで、無理強いするわけにはいきませんが、いやぁ、惜しいですねぇ・・・。グローバルのミュージック・シーンで、彼女が活躍する姿を見てみたかったのは、私だけではないでしょう。

 

実は過去にもう一人、グローバルで通用する可能性があった、日本人アーティストがいます。それは、つい最近訃報が伝えられた西城秀樹さんです。歌唱力・表現力・ビジュアル、どれをとっても、グローバルクラスだったと思います。時代がそれを許さなかった、彼が早すぎた、ということだと思います。

・・・なーーんてことを、コンサート終了後、出場制限のかかった状態で、座席に座ったままで考えていました。

「お持たせしましたーっ! アリーナAブロック、10~20の座席のみなさん、お帰りになってくださいーーっ!!」 

みんな指示に従って、どんだけ統率取れとんねん!(自分も含めて)、ゴミも拾って帰ってるし・・・。(3)について、日本人が誇るべきこの美点は、決して失わぬよう。そして、安室奈美恵さん、25年間ありがとうございました! さらなるご活躍を期待しています!! ではでは。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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