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タカシの外資系物語

e-Sportsで2019年をスタートダッシュ!(その2)2019.01.15

プロゲーマーは大人気?!


(前回の続き)オリンピック正式種目への採用も検討され、世界中で大いに盛り上がっている“e-Sports”。しかし、一部の日本人はe-Sportsに対して、無理解から生じるネガティブな印象を持っています。e-Sportsは、娯楽面だけではなく、ビジネス面でも大きな可能性を秘めているのですが・・・。


日本人がグローバルに比して、いかにe-Sportsに対する理解が遅れているか?! を議論する前に、数的なデータを見ておきましょう(以下、ヤフーニュースより抜粋)。

 

【世界の e-Sports 人口】

  • 世界の競技人口 : 約1億人以上
  • 競技人口以外の観戦/視聴者数 : 約4億人以上

 

【日本の e-Sports 人口】

  • 日本の競技人口 : 約400万人
  • 競技人口以外の観戦/視聴者数 : 約160万人

 

これを見ると、日本の競技人口が少ないこと以上に、競技人口以外の観戦/視聴者数が、グローバルに比して圧倒的に劣っていることがわかります。つまり、日本では結局のところ、一部ゲームおたくが自ら楽しんでいる域を出ていない、ということを示唆しています。

 

アメリカではすでに、野球やサッカーと同様に、国がe-Sportsを“スポーツ”として認めており、プロゲーマーは“スポーツ選手”として広く認知されています。e-Sportsの大会ともなると、人気ゲーマーのサインを求めるファンが殺到するらしく、選手の地位も確立されているようです。

 

破格の賞金額が出る理由とは・・・?!


次に、ビジネス面を見てみましょう。グローバルにおけるe-Sportsの市場規模は、26億ドル(億円ではない!)と言われています。それを裏付けるものとして、e-Sports大会の賞金額がスゴイ! 例えば、「International 2017」というe-Sports大会だと、賞金総額約2,500万ドル! 優勝賞金 約1,000万ドル!! となっています。

 

「1,000万ドルって、あんた・・・ ウソでしょ・・・?!」と思いますよね。1,000万ドルといえば、1ドル=100円として、10億円ですからね、私も最初はそう思いましたから・・・。でも、断じてウソではない! この大会、『DOTA2(Defense of the Ancients Allstars)』というオンラインPCゲームで対戦し、優勝チームには、1,000万ドルの賞金が与えられます。

 

私ももう少し若ければ、プロのゲーマーを目指したかもしれません。成功する確率は極めて低いかもしれませんが、それでも、プロ野球選手やプロのサッカー選手として成功するのに比べれば、可能性があるように思えます。こう見えても学生時代には、『スーパーマリオ』や『ファイナル・ファンタジー』、『ゼルダの伝説』とかでブイブイ言わしていた時期もあったわけで・・・(そんな甘いもんやないことは、わかっていますが・・・)

 

では、どうして、こんな破格の賞金金額が出せるのか? それは、オンラインゲーム、インターネットという特性を使って、広告収入を当て込んでいるからです。e-Sports大会の観戦者の大半は、ネット上でオンライン観戦しています。有名な大会になると、その規模は数億人レベル! に達するらしく、そこに広告を出すという機会が大きなビジネスチャンスを生んでいるわけです。同じスポーツ界で例えれば、アメフトのスーパーボウルにおける、スポンサー広告みたいなもんですよね。いやぁ、ホントにすごい!

世界的企業●●●、さすが、お目が高い!!


e-Sportsと聞いて、

 

オンライン上の対戦ゲーム → ゲームおたくの世界 → マニアしか近寄れない!

 

ではなく、

 

オンライン上の対戦ゲーム → ネット上で数億人が観戦 → 広告等、莫大なビジネスチャンス!

 

という発想ができるかどうか?! ビジネスに関する嗅覚というのは、ネットに限った話ではないですが、これからのネット社会においては、ますますこのような発想が必要となります。

 

実は私、e-Sportsに関しては、今のようにメジャーではなかった5年ほど前に、ある“異変”に気付いていました。それは、あのトヨタが、e-Sportsの大会にスポンサーとして協賛していたのです。当時は、「世界のトヨタが、どうしてこんなオタクのイベントに協賛しているんだろう? 自動車レースのゲームもあるから、その関係でやっているのかな・・・?!」程度にしか見ていなかったのですが、今思えば、トヨタはその当時から、e-Sportsのポテンシャルと将来性について理解していたことがわかります。うーーむ、さすがトヨタ、おそるべし・・・。

 

朝の通勤電車、学生だけでなく、多くのビジネスパーソンが、スマホ上でオンラインゲームを楽しんでいます。朝のひととき、仕事前の息抜きとしてゲームに興じるのはいいとして、それを越えて、ビジネスの可能性を考えてみてはいかがでしょう。さりげない日常にビジネスチャンスは潜んでいて、ネットを使えば可能性は無限に拡がっていきます。ミリオネアになって、社会を変革することも、あながち夢ではないかもしれませんよ。では!
 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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