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鈴木美加子のグローバル人材塾

相手の年齢を気にしない欧米人2018.04.17


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。グローバル人材塾・世人(せじん)塾入門編、4/6(金)に無事開講しました。第1講から皆さんのお役に立ちそうなヒントをお伝えします。


第1講では、着任した上司が英語人だったらという前提で、どのような自己紹介がベストかを学びました。まずは握手の仕方です。強すぎると挑戦的だと誤解されるし、握力が弱すぎると”Dead Fish” つまりは、死んだ魚のように力がない、取るに足りない人間と言う誤解を与えます。慣れるまで、程よい握力で握手するのは意外に難しいので、演習を通して勘どころをつかんでもらいました。


今回は一人もいらっしゃいませんでしたが、自己紹介というと自分の年齢をおっしゃる方がアジア人には見受けられます。勿論、どうしても伝えたければ話して良いのですが、実はこれ、相手が求めていない情報です。


日本人が相手の年齢を気にするのは、教育の過程で飛び級というシステムがなく、大学を卒業したらみんなで一斉に就職し、横並び感覚が比較的長く続いたこれまでの流れがあるのかもしれません。日本企業から外資に転職される際、同僚や上司について”私より3歳上です” とか “私より4歳下です“と肩書きより年齢が優先の説明をされることがあり面食らいます。先輩なのか後輩なのかを押さえておきたいという心理が働くのかもしれません。


アジアがやはり年齢を気にする文化なのは、ホフステードの異文化モデルで説明できます。ほとんどのアジアの国は、個人主義vs 集団主義の文化の軸が集団主義に寄っていて、集団の中での立ち位置を把握したいという心理から来るのでしょう。


比較すると、英語圏のほとんどは、ご想像通り個人主義が強い文化圏になります。一斉に就職したり、そのまま”何年次入社”のグループという扱いで社会人生活を送るという仕組みに慣れていません。彼らにとって年齢は数字であり、大事なのはどのような経験をしてきたのか、何ができる人なのかです。つまり年齢を聞き出そうとすると、人によっては不快かもしれないので、深追いしないようにしてください。


メルボルンに二人、非常に親しい女性の友人(オーストラリア人)がいますが、彼女たちの実年齢を私は6年経った今でも知りません。そのうちの一人に、出会って割とすぐの頃、年齢を聞いてしまいましたが、はっきり ”I don`t want to tell anyone my age.” と言われてしまいました。なかなか日本人でこんなにはっきりNOを伝えられる方はいらっしゃらないと思います。文化の違いを大きく感じました。


かく言う私も、日本で育ちましたが外資系企業生活が25年、その後、オーストラリアに18か月住み、年齢に関しての感覚は欧米人に近いです。先日、ある集まりで割とすぐ年齢の話になり、同じ大学出身の方が私の年齢を知ろうとされたのには往生しました。「まずは何年に入学したんですか?」からスタートしたので、ふわっとかわしたのですが、今度は干支を聞かれそちらもかわす始末(笑)。


何が何でも隠したいわけではないのですが、知ったところで何になるのだろうが正直な気持ちです。


知り合って間もない英語圏の方には、性別に関係なく年齢を尋ねないことを習慣にしてください。職場、プライベートに関わりなく、女性の年齢を聞くのはタブーとされていますのでご注意ください。

 


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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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