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鈴木美加子のグローバル人材塾

外資への転職 Q&A Part 12018.09.04


元・外資系人事部長、10,000人を面接した鈴木美加子です。本日は、外資へ転職するにあたり、英文履歴書や面接関連でよく尋ねられるハウツーを5つご紹介します。

1. 英文履歴書の作成をネイティブスピーカーに依頼したいが問題ないか


この方法はお勧めできないです。理由は、経験豊富な面接官が読めば英語ネイティブの方に頼んだことがすぐわかるからです。例えば、TOEIC700点と書いてある方の英文履歴書に、文法ミスやスペルミスが一つも無いのはどう考えても不自然です。まずはご自分で頑張って作成してみて、専門家に確認してもらうのが良いでしょう。拝見した時点で英語力がわかるので、内容の書き方を改善することに注力し、英語を直しすぎない配慮ができます。英語力をかさ上げして面接にこぎつけても、その場で英語に切り替わって対応できないのでは、結局面接を通過することは難しいです。

 

他にもキャリアカウンセリングで、英語での模擬面接をさせていただいた際、英文履歴書を1ページ拝見して、「この履歴書、ご自分で作成されましたか?」と思わずお尋ねしたことがあります。なぜ変だと思ったかというと、通常、英語の履歴書で使わないような英単語が並んでいたからです。答えは、翻訳家に日本語の履歴書を訳してもらったでした。TOEIC850点もある方なので、ネットを検索すると雛形はたくさん出てくると思うので、とにかくまずご自分で作成してみてくださいとアドバイスさせていただきました。

 

履歴書のように大切な書類の作成を他の方に依頼するという他力本願さは、転職活動の最初に見せないほうがいいです。その時点で、評価を下げる可能性がありますので、まずは自力で作成しましょう。

2. カバーレターをつけたほうが良いかどうか


これはなかなか微妙なご質問です。人事部の舞台裏をお話しすると、残念ながら、カバーレターは期待ほど詳しく読まれていません。候補者から見た時、英文履歴書を提出するのは1社で「1対1」の関係ですが、履歴書を受け取る側の立場に立つと、ポジションによっては本当にたくさんの書類が集まる「1対多」の関係です。残念ながら、すべての履歴書とカバーレターの詳細に目を通すことは物理的に不可能なのです。履歴書を拝見していて、英語力に疑問を持った時にカバーレターを読むというような使われ方が多いので、カバーレターに多大な時間をかけるのではなく、履歴書そのものを、わかりやすくロジカルで具体的な内容にすることに時間をかけることをお勧めします。

 

唯一の例外は、経験の無い職種・業界にチャレンジしたい場合です。どうしてもキャリアチェンジしたいという熱い想いを伝える必要があります。面接官が履歴書を読んでいて、「全然違うバックグラウンドのようだけど、なんだろう?」とカバーレターに戻る確率が高いので、「なぜ御社なのか」「なぜこの仕事をしたいのか」を全力で伝えるカバーレターにしてください。

3. 履歴書に書くとプラスになる英語力の目安は


管理部門でTOEIC800点以上、直接部門(営業・技術など))で600点以上でしょう。外国人にレポートするマンジメント・メンバーであれば、管理部門で900点、直接部門で800点はないと書類がそもそも通らないと思います。日本のビジネス界では、なんといってもTOEICが知られていますが、アメリカのTOEFL、イギリス英語圏のIELTSなどの点数しかお持ちでない場合は、TOEIC換算で何点くらいなのかを英文履歴書にカッコ書きで記しておいたほうが無難です。

4. 面接の途中で急に英語に切り替わり、不意を突かれてしどろもどろになってしまった。どのようにフォローしたら良いか。


このような残念な流れになってしまう候補者は少なくないのですが、コミュニケーションは一発勝負なので、面接後にリカバリーを図るのは難しいかもしれません。英語力がそれなりにあり日々使われている方は、このような状況でも問題なくこなされるからです。急に英語で話しかけられて慌ててしまうということは、

a) 英語力はあるのだが、職場で使っていないので急に英語が出なかった または、
b) そもそもの英語力が足りない かのどちらかになります。

a) はとても残念なケースなので、外資での面接が決まったら、面接官が日本人でも英語に突然切り替わることはあり得ると思って、想定質問と答えを考えるなどぜひ備えてください。

5. 海外勤務希望であることをどうアピールしたらよいか


海外で働くことを強く望まれているのであれば、そもそも転職先は日本に存在する外資ではなく、日本企業で海外拠点がある会社か、最初から海外にチャレンジした方がよいと思います。日本にある外資の場合、あくまで本社は海外にあり、その現地法人です。研修などの目的以外で、わざわざ日本人をなぜ海外に送る必要があるかということになりますので、ごくごく少数の方が、本社勤務になるくらいの確率だと思ってください。日本に住みながら外国人と英語で仕事をしたいという動機で外資に転職するのはOKですが、外国で働きたいというお気持ちが強い場合は、日本に存在する外資に転職しても希望がかなわない可能性が高いので注意してください。


本日は、外資への転職にまつわるハウツー5つをご紹介しました。人事部の舞台裏も含め、今後も皆さんに共通のご相談ごとをご紹介していきたいと思います。

GOOD LUCK!

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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