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鈴木美加子のグローバル人材塾

外資への転職 Q&A Part 52019.07.30

 

元・外資系人事部長、10,000人を面接したグローバル・キャリア・カウンセラーの鈴木美加子です。本日は、「英文履歴書の書き方」セミナーで、参加者の方々と行った質疑応答の内容を共有します。

 

Q1. ブランクとは何ヶ月以上を指すのか?

 

ほとんどの会社の試用期間が3か月なので、3か月未満の場合は、英文履歴書に書かなくても良いのが慣例です。もちろん正確には、ある会社の籍を離れて、次に所属する組織がなければ数週間でもブランクということになりますが、外資への転職において「ブランク」は3か月以上を指します。

 

Q2. 英語力が少し足りない場合、英文履歴書には書かない方が良いか? (質問者は経理部のスタッフでTOEIC730点)

 

日本で広く知られているビジネス英語テストは、ご存じの通りTOEICです。所属部署ごとに、英文履歴書に書いてプラスに作用するのは下記の点数が目安になります。 

マーケティング、経理、人事、法務、セクレタリー : TOEIC 800

営業、技術、開発 : TOEIC 600

 

上記の点数を下回る場合は、Beginner(初級者)、Intermediate(中級者)、Advanced(上級者)、Fluent(流暢)のどれか近いものを書くことをお勧めします。「英語ができない」とネガティブに取られることを避けるためです。

 

Q3. 実績がたくさんある場合、一社につきいくつ書くべきか?

 

社会人歴が長い場合に大切なのは直近10年で、それより前の実績は内容を厚く書いてもよく読まれませんし、履歴書の枚数が増えるだけで候補者にとってのプラスがありません。直近10年は大切なので、1社につき5項目以上は記した方がいいです。ただ並べるのではなく、求人のJD(職務記述書)をよく読んで、関係あるところが上に来るように配慮します。質問者は、現職と前職に9つ実績を挙げて書いてみたとのことでしたが、9つは少し多いです。上の5-6個しかよく読まれないと思って、厳選して何を載せるか決めてください。

 

Q5. インターンの経験は履歴書に載せても良いか?

 

インターン、アルバイト、ボランティア、全て転職に有利になりそうなことは書いてください。「インターンの期間が短かった」からと書かない方もおられますが、インターンを経て正社員に雇用されたようなケースは、「仕事ができる人材」であることの証なので、なおのこと書いて欲しいです。雇用に繋がっていなくても、「積極的に自ら行動を起こす人材」とポジティブに受けとめてもらえるので、書かないのは勿体ないです。

 

Q5. 事務職から人事の研修担当にキャリアチャンジしたいが、これまでに研修当日の準備を手伝うくらいしか関わったことがない。英文履歴書にどのように書いたら良いか?

 

3つの状況に分けてみます。

 

a)  中規模以上の会社に勤めていて、社内異動が不可能ではない

日頃の仕事ぶりを理解してもらっている職場で、社内異動できるのが、ベストなキャリアチャンジの方法です。上司や同僚に相談しましょう。 

b)  転職する以外に道がなく、年齢が30歳以下である(目安)

即戦力を求める外資でも、30歳くらいまではポテンシャルを見込んで経験がない人材を採用することはあります。研修の準備を手伝った経験があり、研修の道になぜ進みたいかを、カバーレターもしくは履歴書本体のオープニングである”Objective”のところに熱意を持って書いてください。採用する側が納得すれば面接に呼んでもらえるでしょう。

 

c)  転職する以外に道がなく、年齢が30歳を超えている(目安)

外資で即戦力採用をしてもらうには、残念ですが年齢の壁を感じての転職活動になりそうです。
b) のケースと同様に、その道になぜ進みたいかをカバーレターもしくは履歴書のObjectiveのところに熱意を持って書き、面接に呼んでもらえるかどうかを見てください。
同時に、過去の職場の上司・同僚でキャリアチャンジを助けてもらえそうな人がいないかを考える作業もしたほうが無難です。

このケースの場合は、仕事を辞めてから転職活動をすると、キャリアチャンジがさらに難しくなるので、現職があるうちに活動をしてください。

 

リアルな質疑応答が皆さんの抱えている疑問を解消し、考えるヒントになるよう祈っています。それぞれの方にベストなキャリアが拓けますように!

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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