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鈴木美加子のグローバル人材塾

外資系で重要な「反射神経」2019.08.20


元・外資系人事部長、10,000人を面接したグローバル・キャリア・カウンセラーの鈴木美加子です。今日は、外資で重要になる「反射神経」をテーマにします。


先週の土曜日、6時間のワークショップに参加するために東京と奈良を日帰り往復しました。事前連絡では学生さんが20名・社会人が10名ということで、何かショートトークをして欲しいと依頼されていました。学生さんが多いということで、就活がらみのことを話そうと、見出しレベルで何を話すのか決めて新幹線で向かったところ…


実際には30名以上の方がいらして、学生さんは7、8名だと現場でわかりました。
とても多様な集団で、経験豊富な社長、会社員で箕輪編集室のメンバー達、主婦で赤ちゃん連れの方々、学生さんと構成メンバーはさまざま。この場で、就活の話をして意味があるとは思えませんでした。共感を持ってもらえる共通のテーマは無さそうです。経験者が少ないテーマで、面白いと思ってもらえそうなテーマはないか考えました。

外国人が日本人と仕事をして最もストレスを感じることとは?


まずは「外国人が日本人と仕事をして最もストレスを感じる文化的要素」というテーマで、NOを伝えることができない、言葉が曖昧について具体例を挙げてお話しました。実は答えはNOと決まっているのに「前向きに検討します」のような言葉遣いをすると、相手は期待してしまい、NOだとわかった瞬間に「なんでもっと早く言わなかったんだ」と激怒するというお決まりのパターンです。


NOを伝えられるかどうかは、英語で仕事をする上で非常に大事なことです。日本語は、“行間を読む、阿吽(あうん)の呼吸、曖昧”で許されるので、それを外国人と仕事する場に持ち込むと、仕事力のあるビジネスパーソンだと思ってもらえないので注意が必要だという内容です。学生さんと赤ちゃんのママ達が真剣に特に聞いてくださり、質問も多かったのが印象的でした。

LGBTと多様性


2回目のトークは、LGBTについて話しました。多様なメンバーに「多様性」の一部をさらに理解して欲しかったからです。 

ある時、私はシリコンバレーにあるIT企業の日本法人で人事本部長をしていました。自由な気風で知られるカリフォルニアはオープンで、LGBTの方の「肩身狭いです度」が世界のどこよりも低いのではないかと思えました。たまたま出張していた時に、有名なサンフランシスコの100万人のゲイパレード(現在のプライド・パレード)に観客として参加できたことが、私の多様性受容力をアップさせてくれたのです。女性に生まれ男性の恋人がいた私は、あの場では明らかに少数派、何となく肩身が狭かったものです。日常では、多数派と少数派の立場が入れ替わることはあまり発生しませんが、明らかに入れ替わっている現場にいました。「何が常識かは多数派が決める、世の中に絶対の正しさは存在しない」を実感できた貴重な経験です。


本社には、かなりの数のLGBT全てのタイプの方が働いていて、最初は少しためらいがありました。しかし、人間は習慣の生き物なので、あっという間に慣れて何とも思わなくなりました。特に自分の上司がゲイであることを公言していて、パートナーが同じ職場にいる環境で、気にしていたら仕事になりません。あの会社でたくさんのLGBTの方と一緒に仕事をした経験を通して、仕事の質に関して言えることは「全く何も変わらない」です。今のところ彼らに共通していると感じるのは、「ナイーブで優しい人が多い」です。


身近にLGBTの方がいる方は6人しかいないという集団で、少し重いテーマだったかもしれませんが、複数の方から「話を聞けて良かった」とおっしゃっていただけたので、テーマの差し替えは成功したようです。

 

「反射神経」を鍛える努力


外資系にいると、突然、会社の方針が大きく変わることがあります。この時、「まぁ、しょうがない」と反射神経で動けるか、「そんなに急に変わるのはおかしいだろう」とあるべき論から離れられないかどうかは、外資で成功するかどうかの命運を分けます。会議の予定がきちんと組まれていないと少し不安、プレゼンの時はシナリオを全て書き出して準備が必要という方は、ホフステード異文化論で言う「不確実性回避」(石橋を叩きたい)の傾向が強いかもしれません。

外資へ転職したい場合は、「反射神経」を鍛える努力をしてください。どのように鍛えるかは、シナリオや流れがきちっと決まっていない状況を受け止められる自分を作ることが必要で、全くご縁のない、できれば海外を旅するなどは非常に役に立ちます。


どのような状況も受け止めかた次第で、ポジティブにもネガティブにも映ります。外資はポジティブに前進できる人材を良しとする傾向が強いので、「反射神経」を大事にしてください。


Good Luck!!

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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