グローバル転職NAVI

キービジュアル キービジュアル

鈴木美加子のグローバル人材塾

英語が聞き取れない時どうするか?2019.11.12


元・外資系人事部長、現グローバル・キャリア・カウンセラーの鈴木美加子です。


昨日、日本語が初級レベルの外国人に、日本語で面接する練習を大勢で行いました。ゆっくり日本語を話す練習をしているうちに、全員の日本語がおかしくなり、やさしい日本語を話すことの難しさを感じました。最終的に外国人は、わからないなら「わからない」と言ってくれるから楽です。


立場が逆になった時、つまり英語ネイティブと会話をしている時の私たちはどうでしょうか? 「わからないので、もう一度言ってください」と言えるでしょうか?

私はGE勤務だった24歳の時、初めてNYに出張して散々な目に会いました。私が知らなかったのは、

a) アメリカの東海岸(NY、ボストン)は、早口であること

b) 日本で仕事をしている英語ネイティブの駐在員は、早口で話すと日本人が理解できないので、駐在の期間が長ければ長いほど英語が自然にゆっくりになること
の2点でした。
つまり、東京で毎日英語を使って仕事をしていたのに、NYで会議に参加した途端、肝心なところが聞き取れないという状態に陥ったわけで、とにかくショックでした。


そして当時の私の問題は、”Can you say it once again?  I didn`t get it. “(もう一回言ってもらえますか? 聞き取れませんでした)と1度も言わなかったことです。恥ずかしいと思ったのかプライドが邪魔をしたのか、わかっているふりをして、「とりあえず黙って聞いていればいいや」と座っていました。


すると、何が起こったか。最後に、”What do you think, Micky?”と質問されて、しどろもどろになり、穴があったら入りたいような思いをしました。その夜ホテルで泣いたことを思い出します。


上記のケースは日本人に多いと思いますが、問題点が二つあります。

1. わからないなら、わからないと言う


YES/NOをはっきり言わないように育つ日本人、なかなか「わからない」と言えません。文化的にも「恥」の感覚を持つので、わからないことは恥ずかしいと無意識に思い込んでいます。英語圏の文化は、YES/NOがはっきりしていてアサーティブである事が重要です。「恥」の感覚より「フェア」かどうかが重要なので、わからなければ質問するなど努力してわかるようになれば良いのです。


モルガン・スタンレー勤務時代、NY本社のチームと日本法人の人事4名で電話会議をしたことがあります。本社のメンバーはまだ海外と仕事をすることに慣れていなかったのか、とにかく東海岸の早口でまくしたてて、日本チームは眉間に皺が寄せながら必死で聞いていました。その時、当時の人事部長だったJimが、
”Can you speak a bit slowly?  Not for me.” (もう少しゆっくり話してくれる? 僕は大丈夫だけど)
と言ってくれました。


この “Not for me.” は使えます。本社と会議をしていて、こちら側が複数人いる場合、英語がよく聞き取れなかったら同じように言えばいいのです。

2. 会議には参加しなければ意味がない


こちらも日本人には少しハードルが高いです。出る杭は打たれる文化ですし、人前で積極的に意見を述べるように教育されていません。英語圏の文化は、自分の意見を持つことを良しとし、それを明確に人前で話せることが重要です。英語での会議を無難にやり過ごそうと、ただ座っている人は会議に参加していると見なされません。数回続くと、「仕事ができない」とのレッテルを貼られたり、最悪の場合は会議に呼ばれなくなります。


英語力に自信がない場合、なかなか発言できない気持ちは痛いほどよくわかります。その時は、気の利いた質問をすることで乗り切りましょう。質問することも、会議に参加しているとカウントされます。100%は聞き取れなくても英語での会議の行方を聞きながら、「何を質問しよう」と考えるのです。英語圏での会議には必ず質問タイムがあるので、その時に切れる質問ができれば、立派な会議の参加者です。英語力が上がっていくにつれ、発言もできるようになるので、それまでは鋭い質問をすることで株を上げましょう。


ネイティブの英語がわからなかったら、「もう一度言ってください」と伝えられるようになりましょう。外国語を学ぶ過程で、わからないのは当然です。英語圏に「わからないことが恥ずかしい」という概念はありません。

やっぱり外資系!がいい人の 必勝 転職 A to Z

好評発売中!
鈴木美加子 著『やっぱり外資系!がいい人の 必勝 転職 A to Z

外資系に転職して活躍できる人、向いていない人、その違いとは――。

人事のプロとして25年間に累計1万人を面接・面談した著者だからこそ知り得る、経験と実績にもとづく“成功する"転職ハウツーを明かす。

Amazon販売ページはこちらから

https://www.amazon.co.jp/dp/441323121X/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

外資・グローバル企業の求人1万件以上。今すぐ検索!

この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

合わせて読みたい

---