外資系で求められる「想定外に対処する力」
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元・外資系人事部長、1万人を面接したグローバルキャリアカウンセラーの鈴木美加子です。本日は、「外資系で求められる『想定外に対処する力』」をテーマにします。

小池東京都知事の自粛要請を受けて、世の中に不安感が増しています。まさに未曾有の想定外に直面していますが、こんな時こそ想定外に対処する力の出番です。

かくいう私自身も例外ではなく、コロナの影響を受けて3月・ 4月の企業研修の仕事がすべてキャンセルになりました。あまりのインパクトに苦笑するしかない状態です。この状況にどう取り組むかは、個人によって違うと思います。外資系企業に25年勤めて、想定外の連続をなんとか乗り越えてきた私は、この局面を「ピンチはチャンス」と捉えています。コロナに後押しされて、新しいビジネスを思いつき、立ち上げに向けて忙しくしています。自身の想定外対応力については、もともとの性格というよりは外資系で鍛えられたと思っています。

今回のことを機に、会社員時代に人事として対処した想定外の仕事を思い返してみました。いろいろありましたが、一番印象深いことは米系IT企業に勤めていた時、3四半期に渡り採用についての方針が変わったことです。本社の業績が悪くなったと思ったら、第1四半期は採用フリーズ、第2四半期は再び採用して良いとなり、第3四半期は再び採用凍結フリーズになったことがありました。

採用を凍結する場合は、転職エージェントとのお付き合いに気をつけないと、会社の業績が悪くなったとすぐわかり、人材マーケットで噂になってしまいます。悪評が立たないように、「面接官が海外出張になった」とか「急に決裁権がある人物が本国に戻った」などいろいろな理由をつけて、採用凍結になったことがすぐには分からないように苦心しました。

それが次の四半期には、なぜかどんどん採用して良いとなり、転職エージェントに今回はどうアプローチすべきか大変苦労しました。その末に迎えた第3四半期、ついに再び採用凍結です。当時の私の正直な心情は、本社に振り回されることが腹立たしくストレスを感じていました。この企業は、追って半年後に、全世界の海外拠点を閉めると発表しました。あの時、米国本社には本社の立場があり、計画があったのだろうと今は冷静に振り返ることができます。

現在日本企業に勤務している人は、驚かれたかもしれません。この企業の例は非常に極端で、全ての外資系企業には当てはまりませんので、その点は安心してください。ただ、外資系では想定外のことがいくらでも起こることを、理解して欲しいです。

皆さんは想定外に対処することが得意でしょうか？ それぞれの個性なので、「対処できない」ことが悪いわけではありません。ただ外資系に転職したいと思う人は、自分の想定外対応力を確認してから転職を決めると、ストレスが低いと思います。

コロナの影響を受けて、採用凍結に踏み切る外資も出てきています。面接後、他にも候補者がいるので2週間くらいは連絡がなくてもおかしくありません。2週間以上経っても回答が来ない場合は、転職エージェントが入ってくれているのであれば、彼/彼女に連絡して聞いてもらってください。面接の過程が途中で止まってしまった人もいるかもしれません。非常に残念ですが、「ピンチをチャンスに変える」姿勢で、さらに良い機会に巡り会えるよう自己研鑽に励みましょう。自己の棚卸をする、本を読んで知識を増やす、オンラインで英語の勉強をするなど、時間に比較的ゆとりがある今だからできる努力をして次のチャンスに備えてください。

皆さんが健やかで、転職の道を切り拓けるよう願っています！

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