グローバル転職NAVI

キービジュアル キービジュアル

鈴木美加子のグローバル人材塾

一流のプロフェッショナルには想像力がある2020.09.15


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、「一流のプロフェッショナルには想像力がある」です。

この頃、若い世代とお仕事をすることが多くなりました。みずみずしい感性、時代の最先端を行くITやアプリの知識など、さまざまな刺激をもたらしてくれて心から感謝していますし、彼らとの仕事を楽しんでいます。前途有望な彼ら/彼女たちが、もっと「想像力」を働かせて仕事できるといいなという願いを込めて、本日のコラムを執筆しています。ベテランの域に達している人材の皆さんも、自分の仕事ぶりを振り返ってみてください。

想像力とは何か? 自分の仕事が終わったら、その仕事を受け取った相手がその先どうするかを考えられる力です。ここに配慮できると、プロフェッショナルとしての価値が上がり、仕事相手に「もう一度この人と仕事をしたい」と思ってもらえます。

具体的に実例でお話しましょう。

1. 時差を明確にする


先日、ブラジル在住の29歳の日本人から、キャリア相談依頼メールをもらいました。「2週間先の土曜日の8:00希望」と書かれています。メールを受け取った私は、まずこの8:00がamなのかpmなのか考え込んでしまいました。世界の時刻表示法は、24時間表示のところ(例えば23:00)と、12時間表示(11:00am/11:00pm)スタイル両方があります。私はブラジルの方と直接仕事をしたことがなかったので、どちらなのかがわからず、スタートからつまづいてしまいました。

そして、am/pmが判明したとして、時間はブラジル時間なのでしょうか、それとも日本時間なのでしょうか?  そもそもブラジルと日本の時差は12時間なので、土曜日の8:00amも8:00pmもどちらも候補になりえます。日系企業勤務で日本本社と仕事をする機会も多いはずなので、時差について明記されていないのは非常に不思議でした。

私はこのメールに、日時とどちらの国の時間かを確認するだけの返信を送らざるをえませんでした。時差を抱えている時に、このメールの1往復は時間がもったいないです。受け取った相手がこのメールをもらった後、自分のカレンダーを引っ張り出してスケジュールの空きを確認することを想像する力があると良かったです。

2. 報告は大事


別の人と仕事をしていた時のこと、締め切りまでにアウトプットが届きませんでした。日本人が締め切りを落とすことは珍しいので少し驚きましたが、事情があるのだろうと締め切りを守れなかったことは許容できました。社会人が長い身として理解できなかったのは、「すみません、間に合わないのでXX月XX日の提出になります」と報告がなかったことです。彼女からの仕事を受けて、その次のアクションを取る役割だった私は、いつになったら自分はスタートできるのかが当然知りたいわけです。「想像力」を少し働かせて相手の立場に立つ癖をつけると、「またあの人と仕事をしたい」と言われる人材になれます。

「想像力」が大事なのはわかったけれど、なんとなく何をすれば良いのかピンと来ない方のために、私自身が「想像力」を働かせて最近うまく行った例をシェアします。

Twitterに、外資系裏技英語(@UrawazaEigo)なるアカウントがあり、毎週日曜日にPodcastとYouTubeで新しいエピソードを紹介しています。以前、ご縁があって一度出演させていただきました。次に「声」で登場しないかというお誘いがあり、短い会話の中でKeikoというキャラクターを演じました。iPhoneで録音してファイルを先方に送るのが私の作業です。

この時、私が気をつけたことは以下の通りです。

- せっかく再度お声がけいただいたのだし、雑な仕上がりだとやり直しになる可能性があって、双方時間の無駄だからベストを尽くそう

- 声だけの場合、表情やジェスチャーでカバーできないので棒読みにならないようにしよう (結局、セリフを記憶することになりました)

- プロデューサーは編集が楽な方が助かるので、ノイズがなるべく入らないように気をつけよう

上記に気をつけたらTake19にもなってしまい、これ以上は素人に改善しようがないと判断した時点で、ファイルを先方に送りました。

相手の仕事を想像しながら自分なりのベストを尽くした結果、Keikoキャラは単発ではなく継続されることになり、現在、次のシナリオが届くのを待っています。

自分だけで完結する仕事はほとんど存在しません。自分の仕事を受け取る次の人がいることを意識して、その人の仕事をどうすれば楽にできるだろうと考えられると、「あなたと仕事をしたい」と思ってもらえる人材になれます。

オンラインサロン『鈴木美加子のグローバル人材塾』

オンラインサロン『鈴木美加子のグローバル人材塾』


多様性を受け入れ、英語でロジカルに発表・主張できて外国人と協働できるグローバル人材の集いです。楽しく学びながら、コミュニティの中で継続的に成長することができます。
コンテンツの概要は以下の通りです。

  • ・週1の記事・動画配信
  • ・週1のライブ配信
  • ・キャリアのお悩み相談
  • ・外部ゲストの講演会
  • ・月1の懇親会
  • ・個別キャリア相談を割安で受けられる

 

初月は無料なので、お気軽に覗いてみてください。詳しくはこちら↓

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

外資・グローバル企業の求人1万件以上。今すぐ検索!

この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

合わせて読みたい

---