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鈴木美加子のグローバル人材塾

キャリアの方向性をルミナで考える(実例23)2020.10.27


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、外資系・日系両方から内定をもらい、どちらを選ぶべきかを悩んでいる方のご相談について、アセスメントツール「ルミナ」を使って解説します。 *この記事はご本人の了承の元に書かれています。

今回の相談者、28歳の男性・佐竹さん(仮名)は、現在、日系メーカーの法務部勤務です。小学生時代アメリカに住んでいたことがあり、TOEICスコアは860点。ご相談は2点あり、「法務」の仕事が自分の適職かどうかを確認したいことと、転職活動が進み外資系と日系企業からオファーをもらっていて、どちらにすべきか決めきれずにいるとのことでした。

まず適職について、ルミナの結果を見てみましょう。スコアが高い佐竹さんの資質は、結果重視・規律重視・堅実(細かいことが得意) そして内向的です。法務の仕事は、決まっている規則に照らし合わせることが多いので、規律重視のスコアが高く、誤字脱字などにすぐ気がつく細部へのこだわりも重要です。また企業で成果を出すためには、結果重視の赤のスコアが高いことが望ましいです。
法務は適職ということになりますが、赤と青の組み合わせの人材に向いている職業は、他に「プロジェクトマネジメント」「購買」「品質管理」が挙げられます。佐竹さんの大きな特徴は非常に内向的なことなので、仕事の性質上、大勢の人間と関わることになる「プロジェクトマネジメント」と「購買」は、天職ではないです。「品質管理」の仕事には向いているので、後は彼の好みの問題です。

佐竹さんに「法務」と「品質管理「のどちらがやりたいか質問してみたところ、迷うことなく「法務」と言う答えが返ってきました。20代はキャリアに迷いがちなのでよくあることですが、佐竹さんの場合も、現職が自分の適職と言うハッピーエンドになりました。

さて、次に転職先をどうしたら良いかです。同じ業界・同じ位の規模の日系企業と外資系企業から内定をもらっています。

話しているだけだと、どちらがベターなのかが見えにくいので可視化します。佐竹さんが気になる項目を比べてもらった表が下記になります。

項目 / 企業

日本企業A社

外資系企業B社

年収

現状維持

昇給あり

オフィス

古い

新築に引っ越したばかり

通勤時間

40分

60分

テレワーク

上司

日本人

外国人

英語使用機会

なし

あり

安定性

高い

低い

部署異動

会社主導

社員主導のことが多い


一見して外資系に軍配があがるように思えますが、迷うのはなぜかを紐解いていきます。まず転職しようと思った理由は、会社主導での部署異動が多い企業で、スペシャリスト人材になりにくいことがわかっているからだそうです。佐竹さん自身は先輩の動きを見ていて、次はIT部署への異動になるだろうとのことですが、ITに興味がないので異動になる前に脱出しようとしています。

外資系に一歩踏み出せないのは、「すぐクビになる」イメージがあり、なんとなく怖いからとのことでした。即日解雇のような極端なケースが起こりうるのは一部の投資銀行・コンサル・ITだけであることと、個人の業績が高いのに辞めざるを得なくなるのはM&Aや部門の売却の時で、この変革の時代、日本企業にいても絶対の雇用の保障はないことを説明しました。佐竹さんのデータを細かく読むと、青の中の「慎重」「思慮深い」のスコアが高いので、安定を求める気持ちは非常に強いです。

28歳とまだお若いので、外資系に初めて転職する限界年齢(42~43歳)まで、時間的猶予はだいぶあります。安定性を求めて日本企業にもう少し勤めるもよし、外国人の上司の元で英語を使いながら、好きな法務の道を極める道を歩むもよし、あとは佐竹さん次第です。メリット・デメリットをよく話し合って、最終的に外資系からのオファーを選ぶことになりました。

キャリアの方向性に迷った時はアセスメントツールを使った診断を受けると明確になります。次の転職先に迷ったら、Pros and Cons (俗にプロコン) 、それぞれのプラスとマイナス点を挙げて見える化できると決めやすいです。秋の転職活動シーズン、頑張ってください。

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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