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U.S.CPAの資格を日本人が取得する巨大なメリットとは?<JUSCPA代表インタビュー>


いまなぜ、日本でU.S.CPAが注目されているのでしょうか。「一般社団法人Japan Society of U.S.CPAs」の代表理事である平野和久氏に、U.S.CPAの資格を日本人が取得する意義やメリット、知っておきたいポイントなどについてお話を伺います。


一般社団法人Japan Society of U.S.CPAs 代表理事 平野和久 氏

一般社団法人Japan Society of U.S.CPAs 代表理事 平野和久氏

最先端のIT系企業でもU.S.CPA取得者は引く手あまた

まずは、なぜいまなのかというところからお答えすると、ワールドワイドで国際化が進み、英語の重要性が増していることに尽きます。日本でも米国会計基準や国際会計基準を任意に適用している企業も増えています。それらの企業の時価総額は東京証券取引所の3分の1に迫ると言われています。そんな中で、U.S.CPAは英語と会計のスキルをセットで証明できる資格です。これが大きな魅力になっています。

また、昨今のニュースを見ていると、AIやロボティックスの進歩で合理化が進み、会計に人間は必要なくなると危惧する声もあがっています。確かに合理化によってこれまで人間がやっていた仕事をロボットが引き受ける部分も出てくるでしょう。しかし、ロボットを使うのはあくまで人間です。何十年も後ならいざ知らず、会計の人間がいきなりお払い箱になったりはしません。

それに、U.S.CPAを取得している人間は、整理される側ではなく合理化を企画する立場に回るはずです。実際、私の知り合いにもIT系、特にロボティックス系の企業で働いているU.S.CPA取得者は何人もいますし、監査法人からの需要も高い様です。そうでなくても、転職の際には大変有利な資格であることは間違いありません。

英語か会計のどちらかの基礎がしっかりできていると有利

私がU.S.CPAを取得したのは1993年です。未だ日本でU.S.CPAを知る人は少なくて、新聞に「米国公認会計士」の文字が登場するだけでドキドキしたものでした。私は20代の頃にとある外資系企業で内部監査の仕事をしており、アメリカに会議や研修で行く機会がありました。そこでCPAを持つ現地の会計士達が大変知的で自信に満ち溢れていることに気付き、格好良いなと憧れたんですね。

自分でも何か税理士などの資格を取りたいと思って勉強し始めたのですが、30代になって、あるときふと調べると、日本の大学で単位を取っていればU.S.CPAを受験できることが分かりました。当時、試験会場はアメリカにしかありませんでしたが、「これだ」と思いましたよ。英語と会計、自分のやりたいことがセットになっている資格です。結婚したばかりの頃で仕事も忙しい時期でしたが、妻に説明して協力してもらい、毎日早起きして勉強、週末も全部勉強。目標がはっきりしていますし、やりたいことをやっている自覚もあったので寝不足でも全然疲れませんでした。

私はもともと英語にはある程度自信がありましたが、英語の基礎ができている人なら会計の勉強だけで良いので非常に有利です。もちろん、会計の知識をしっかり身に着けている人ならば、英語を勉強すれば良く、会計の方の勉強は最低限で済むでしょう。

無事にU.S.CPAを取得してからは、転職するたびにキャリアアップでき、いまではJUSCPAの代表理事を引き受ける立場になってしまいました(笑)。

取得のタイミングは若い内ほど有利、男女の差は関係なし


U.S.CPAの取得は、若い内であるほうが有利です。私は30代で取得しましたし、40代で取得した友人や、60代の定年退職後に取得した知り合いもいますが、若いときからU.S.CPAの恩恵を受けられたほうが何かとメリットがあるのは間違いないでしょう。

特に監査法人で働く場合、20代はいろいろ修行させられて、後になってそれが実になってくるため、30代や40代でU.S.CPAを取得して監査法人に入っても、あまり修行の時間が取れず、ちょっともったいないのです。 年齢が上がってから取得した人がよく進む道は、コンサルタントです。英語と会計を操れるコンサルタントは様々な業種で重宝されます。仕事の幅を広げるという意味では、資格取得の年齢はあまり関係ないですね。

男女の差も関係ありません。欧米系の外資系企業ではマネジメント層に欧米人が多く、男女を問わずU.S.CPAを取得しているとそうした人たちから絶大な信頼が得られます。また、ある女性の例ですが、それまで営業補佐の事務仕事をしていたところ、一念発起して勉強してU.S.CPAを取得した人がいます。その人は海外の監査法人に採用されて何年か海外で監査を経験し、日本に戻ってきて会計の仕事で活躍しています。他にも産休のあと、U.S.CPAを持っていたおかげで復帰しやすかったという女性もいました。

U.S.CPAは学び続ける意思と能力の持ち主である証明

U.S.CPAを取得するメリットの中で、特に紹介しておきたいのが「継続教育」のシステムです。U.S.CPAは3年間で120時間の勉強をする義務があります。資格を更新するための試験はありませんが、講習を受けるなどして、勉強した時間を申告しなければならないのです。U.S.CPAは試験の内容も時代のニーズに則して変化していきます。U.S.CPAを持つことは、資格を得るときも、得た後も、常に時代に対応した新しいことを学ぶ、意思と能力の持ち主であるとの証明でもあるのです。

私が代表理事を務めるJUSCPAは、日本におけるU.S.CPAで構成される非営利法人ですが、その継続教育を提供できる認定機関の1つです。その他にも専門部会というものがあり、国際会計を学ぶ部会や、英語スピーチを学ぶ部会、最近では仮想通貨を学ぶ部会などもあり、JUSCPAのメンバーはそれらを利用できます。また、専門部会などの学びの機会を通して素晴らしい人的ネットワークも築けます。私自身、JUSCPAのネットワークを通じて良い出会いを経験し、多くのU.S.CPAに同じ体験をしてほしいと感じていました。このため、JUSCPAの創立者に代表理事就任を依頼されたときは喜んで引き受けましたしU.S.CPAのネットワーク作りに尽力したいと思っています。

 

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