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ななよづきのキャリア相談室

自分を演出するオフィスファッション2017.01.31


同じような商品でも見るお店によって異なる印象を受けることがあります。ディスプレイによってその価値に違いが生じます。私たちそのものも変わらないものですが、演出を少し変えるだけで与える印象は大きく異なります。今回は、オフィスファッションに関してご紹介します。

「ケ」と「ハレ」


「ケ」と「ハレ」という言葉をご存知でしょうか。私も、初めて聞いたときは全く分からなかったのですが、日本の民俗学の代表ともいえる柳田邦男による分類です。彼がいうには、儀式である「ハレ」と日常である「ケ」があるのですが、この境界線は現代では特にあいまいになっています。儀式から取り入れた多くの手法、形式が現代では日常である「ケ」に使われています。では、ビジネスはというと、私は基本的に儀式である「ハレ」と考えています。もともとファッションというのは社会的なステータスに応じて厳格なルールがありました。これは世界各国で見られていたところだと思います。日本でも町民である娘と農民の娘は、一目でその社会的なポジションがわかるようになっていました。このようにファッションとうのはその者がどういうポジションに属しているかを示す目印だったのです。その意味では、場面に応じて自分は組織においてどのような者であるのかを意識する必要があります。

ビジネスにおけるファッションの持つ意味


ビジネスの場では信頼感と安心感がとても重要なことは皆さんも日々考えているところでしょう。ビジネスにおけるファッションも信頼感、安心感を持ってもらえるかどうかはそのオフィスファッションの良し悪しで大きく異なります。最近では、業種や職種によってとてもフレキシブルになってきています。しかし、その範疇でもルールに則ったファッションを実践することで私たちがルールを順守する人物であるのか、そうでないのかを示すことになります。世の中には数多くのブランドがある反面、コピー商品もたくさん存在します。コピー商品というのは大体が細部において粗雑な仕事をしていますので、素人でもある程度見分けがつく場合があります。ブランドとされているものは隙がなく、細部においても考えて作られています。高いブランドのものを身に付ければいいということではなく、あなた自身が細かいところに気を付けることが出来ているかということです。私たちのオフィスファッションに当てはめて考えてみると、

 

・着用しているスーツやスカートなどにペットの毛や他の繊維がたくさんついていることはないでしょうか?

・シャツやズボンはきちんとプレスされており皺やよれが生じていないでしょうか?

 

このようなチェックは簡単にできる反面、怠りがちでもあります。特に背中など背後からの視線を意識したチェックは漏れてしまうものです。ぜひ正面だけでなく、背後からも確認するようにしたいものです。

ファッションでの失敗


海外の企業やスタッフとお仕事をする場合はさらに注意が必要です。日本よりもまだ保守的な場合が多々あります。私たちのステータスも外見で判断されます。これは決して高いものを身に着けているから大丈夫であるということではありません。紳士・淑女としての「身だしなみ」ができているかということです。その上で、初めて付加価値をつけるためのセンスが問われるのです。それほど難しく考える必要はなく、実際にはきちんとしたマナーさえ出来ていればほとんどの場面では問題はありません。しかし、これが意外とできていないことが多くあります。逆に言うと、海外のビジネスの場で相手が信頼に足る人物かどうかを知るにはそのファッションをチェックすることがとても重要になります。男性であればシャツはノリが効いたプレスしたシャツ、プレスされたボトム、体系にマッチしたスーツを着用している方以外にお会いした経験がありません。それほど海外においてはビジネスの場におけるファッションのルールというのは重視されているということでもあります。

私の同僚がこのファッションにおいて、海外で失敗したということがありました。彼女は、ヨーロッパのある国に出張したのですが、ビジネスの場だけでなく滞在中の様々なシーンであまり愉快な想いをしなかったとのことでした。現地での写真を見て納得したのですが、実年齢よりもかなり若く見える装いでした。ただでさえ若く見える日本人が、さらに若く見えるファッションであったため若者相手の扱いを受けたような場面が多々あったとのことでした。元々おしゃれで若々しくうらやましく思っていたのですが、やはり海外でのファッションは日本以上に気を付けたいと思いました。

あらぬ誤解を受けないために現地の習慣やルールを知ったうえで臨むことは重要です。私たちは現地の事情を知った上で敬意を払っていますというメッセージにもなるからです。この方が行かれた先は、やや保守的な地域だったのです。こういった場合にファッションを若い装いにするのであれば、アクセサリーなどの小物やバッグなどで調和がありながらも重厚感のあるものを取り入れることでステータスを示すという方法もあります。私の場合はパールなどをアクセントに使います。

プロトコールの意識


コラムをお読みの読者のみなさんも普段からオフィスファッションに人一倍気を使われている方が多いとは思いますが、ファッションについてのプロトコールも意識することでさらにグレードの高いビジネスパーソンであると理解されるでしょう。ビジネスの場において自分を演出するためのファーストステップはこのプロトコールの理解です。ビジネスとは「ハレ」の舞台でありルールや習慣があるという意識を日々持つことが一番重要なのです。その上で、ビジネスの話題になるようなワンポイントのアイテムやデザインにチャレンジすると失敗も少なくなり、会話の糸口にもなるでしょう。

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この記事の筆者

ななよづき

現在40代ど真ん中の1児のママワーカー。
外資系の企業を渡り歩き続け、ママ業本気、ビジネス超本気の人生を過ごす。企業人事の枠を超え現在は人事コンサルタントとして独立。常成長し続ける組織を作るために、中小企業から大手企業まで幅広く支援を行い、近年はダイバーシティー推進にも注力。『働く』に男性も女性もパパもママも関係ないを信条に日々活動。

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