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ななよづきのキャリア相談室

内資と外資資料作成に違いがあるって本当?2017.04.11


最近海外に持っていく資料や外国人の上司向けの資料を作ってもらえませんか?という依頼が立て続けにありました。やはり皆さん不安に思っていらっしゃるのかもしれません。ということで、今回は「内資と外資において資料作成違いはあるのか?」ということについてわたしが経験したことをお伝えできたらと思います。はっきり言ってしまうと、外資における資料作成は国内のもとの少し「違います」。そして、「ある盛り込むべき点」が存在し、それがない場合は業務が増えてしまう場合があります。これらの注意点は5分以内でお伝えできると思います。

法廷でも決定的な要因となりうるあるモノ


良いプレゼンにはストーリーがあるとはよく言われる話です。でも内容によってはちょっと難解なことがあります。しかし、簡単にストーリーを意識したつくり方ができる方法があります。それはまず絶対に結論から言ってしまうということです。「この資料において〇〇という結論になりました。それには大きく3つの理由があります。理由①が○○で、理由②が○○、理由③が○○です。以下にその詳細についてご説明いたします」という流れです。まず初めに資料を読む前から読み手に結論と展開を予測できるようにするということです。アメリカの弁護士の話なのですが、「裁判官にはもちろん陪審員にわかりやすくかつこちらの立場を理解してもらうには生き生きとした具体的なストーリーこそ一番大事なこと」とおっしゃられていました。実際、この弁護士の勝率はすごく高いのです。このことからも物語性を意識することが何らかの意思決定をしなければならない場面においてとても重要だということがわかります。海外では(特にアメリカ)、資料において読み手の理解を容易にする工夫がなされることが日本の会社よりも多いのではないかというのがこれまでのわたしの率直な感想です。試しに外国で使われている資料や書籍を読まれると構造が日本のものとやや異なることに気が付かれるのではないかと思います。

幼稚に見えると言われたことがあります


日本でも数字は大切だ、きちんと入れなさいと言われます。でも数字が意図なく入っていてもわかりません。だから資料の意図に応じた理由がある数字を見やすいように入れることが重要です。ここに「この数字」、が入っている意図はなんですか?と質問されても答えられるようならひとまず合格だと思います。数字を披露することが目的ではないはず。意図は何であるのかを自問自答しなかったときは大失敗しました。全体の構成も工夫が必要です。わかりやすくイメージすると科学論文のような構造が好まれます。何かを証明するような展開です。章立てなどの初めにそれぞれ目的と重要な点をはじめに宣言してしまいます。資料の各段階で目的や意図を明確にするということです。次は、表現力です。特に外国語で作成するときに意識すべき点は、「Paraphrase」です。もちろん日本語でも同じですが、もっと外国語では重要という意識を持った方が良いと思われるのがこの「Paraphrase」。文章としては正しい、文法的にも間違いはない。にもかかわらず、残念な評価を受けてしまったことがあります。それは「言葉の言い換え」ができていなかったからです。またhaveやgetといった幅広く使える単語の多用も注意です。このことで資料そのものが間違いではないにしてもとても幼稚に、稚拙に見えるようです。だからこそ語彙力はとても重要です。表現力の幅で教養を見られることもあるのでこれは正直に言うと結構なプレッシャーでした。

議論はマストという前提


日本国内の場合、資料を提出する、プレゼンをする。その後「良かったよ」とか、「ここはどうなの?」という反応があります。最終的には満場一致での決定を目指す傾向があるように感じます。一方、外資系企業の場合はすぐに議論に変わることが多いのではないかと思います。まず議論を前提とし、議論があることを踏まえた上での資料作成がポイントと思います。そもそも議論というと何だか不穏な空気漂う喧々諤々なイメージがありますが、ブラッシュアップの場だという認識です。だから外国人が上司の場合も頭ごなしに否定しないで「なるほど、さらにコストを下げる方法はないものだろうか?」といったかなりスマートな表現をされることが多いと思います。はっきりと「これじゃあ不足だよ」とかいう否定は避ける傾向があると感じます。こういう表現方法のセレクトはむしろ外国人の方がよほど気を使っています。だからそんなに構えないで議論を前提として、突っ込まれる可能性がある点を見越して作成するととても気が楽になると思います。一緒にさらに良いものに仕上げる機会として、資料を提出するのだというマインドがプラスになるのではないかと思うのです。次は今回よりも少しでもベターになればということです、前向きに行きましょう!

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この記事の筆者

ななよづき

現在40代ど真ん中の1児のママワーカー。
外資系の企業を渡り歩き続け、ママ業本気、ビジネス超本気の人生を過ごす。企業人事の枠を超え現在は人事コンサルタントとして独立。常成長し続ける組織を作るために、中小企業から大手企業まで幅広く支援を行い、近年はダイバーシティー推進にも注力。『働く』に男性も女性もパパもママも関係ないを信条に日々活動。

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