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会計以外のキャリアでもU.S.CPAがあれば切り拓いていける
<スペシャルインタビュー>


「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」の日本法人で財務責任者を務め、U.S.CPAのほかに、MBAやSix Sigma Green Beltの資格も持つ搆 義行氏に、U.S.CPA取得の経緯やメリット、取得のコツなどを聞きました。

Birkenstock Japan株式会社 財務責任者 搆 義行 氏

Birkenstock Japan株式会社 財務責任者 搆 義行 氏

U.S.CPA取得のきっかけはビジネスを円滑にしたかったから

私がU.S.CPAを取得した経緯は、少々イレギュラーかもしれません。学生の頃から会計士の資格を取るために勉強したのではなく、仕事をしていて勉強することが自然だと思ったし、業務上でも有利だと気が付いたからです。

私は国内で生まれ育ち、国内の大学を出て、地方にある日系の製造業で製品を輸出する仕事をしていました。その会社では米国を中心に海外の子会社の財務上の問題を解決するため、在庫を適正に管理する業務を担当していました。ところが出張で現地の人たちと交渉しても、なかなか話が噛み合わないのです。そこで私はこんな仮説を立てました。「彼らのビジネスの仕組みやルールを理解して同じ土俵で話さないと、こちらの言うことを聴いてもらえない。逆に彼らが戦う世界のビジネスルール、例えばアメリカの会計を理解していれば少しは話を聴いてくれるんじゃないか」と。

いざ勉強を始めると面白くてはまりました。米国現地子会社のCFOが、私が勉強していることに気付いて、試験でも受けてみたらどうだとU.S.CPAのことを教えてくれました。仕事をしながら2年ほど通信教育で勉強して受験し、ストレートで合格しました。ただビジネスで本当に役立てるには、U.S.CPAの資格を取るだけでなく実務経験も積みたいと考え渡米を決意しました。試験合格直後から1年かけてMBAを取得できる大学院受験のための勉強をし、合格したので会社を辞めて家族で渡米しました。大学院を卒業してMBAを取得し、現地のビッグ4に数えられる会計事務所で監査の修行を積みました。その実務経験でU.S.CPAのライセンス登録をしてから日本に戻りました。

U.S.CPAがあれば自分のキャリアを自分で決められる

私がいま務めている企業は、ドイツに本拠を置く世界で最も有名なフットウェアブランドの1つです。日本支社はまだスタッフの数が少ないこともあり、私は会計・税務以外の仕事もいろいろ任されています。弁護士とのやり取りや、人事、システムの導入など、バックオフィス全般です。忙しいですが楽しいですよ。

ドイツの会社ですが、業務は主に英語です。本国とやり取りするときもドイツ語はあまり使いません。ドイツにも会計基準はありますが、必ずしもドイツ会計基準を細かく知っている必要はなく、米国会計基準や国際会計基準をある程度理解して英語で会計業務ができることが求められます。この会社に転職する前はフランスの企業に務めていましたが、そちらも同様でした。

U.S.CPAを持つことは、自分のキャリアをある程度自分で決められることを意味します。外資系企業に就職するうえで、どこで働いていたのか、実務経験が何年あるのか等の経歴と共に、U.S.CPAの資格所持は書類でも大抵チェックされています。雇用する側からすれば、U.S.CPAを持つ人間には、英語と会計の知識があり、自分たちの共通言語(プロトコル)で意思疎通できると分かるわけです。U.S.CPAの取得が、キャリアチェンジにおいてとても有利に働いたことは間違いありません。

受かってからの自分をイメージして勉強のモチベーションを保つ

前述の通り、U.S.CPAの勉強は2年ほど時間を掛けました。日々、仕事がありましたし、保育園に通う子供が2人いて仕事の後は勉強の時間が取りづらいので、主に早朝に起きて2~3時間勉強していました。試験直前はトイレの壁に不得意分野の問題や解説を貼り出したりして自分を追い込んでいました。当時、まだ保育園児だった娘がこのやり方を覚えていたようで、高校受験のときに同じように貼り出して勉強していたことがありました(笑)

試験対策では、4つの科目の中から自分の不得意なところを探して重点的に勉強していました。問題集に全部番号を振って、解けたものと解けなかったものをExcelで整理・分析して自分の弱点を見つけるのです。パターンが見つかれば、そこに注力することで効率よく学習できます。英語は監査のレポートを見て、出てくる定型文を丸暗記しました。いまは問題集がアプリになっていると思うので、私のときよりも勉強しやすいのではないかと思います。

勉強を続けるにはモチベーションの維持も重要です。試験に合格しなくても生活できる環境だと、辛いと感じれば妥協したくなりますからね。コツは受かってから自分が何をしたいのかイメージすることです。私の場合、気分転換でサインの練習をしました。監査書類に格好良くサインする自分を、試験に合格する前からイメージしていたのです(笑)

会計士の視点からアメリカのカルチャーが理解できる

U.S.CPAは1つの資格で英語と会計という、2つのキーワードを含むのが強みです。今どきの求人市場では採用者はレジュメを最初から順番になど読みません。レジュメの中から、どんな経験があるのか、どこに強いのかなど、気になるところだけ拾って見ているので、どれだけフックするキーワードを持っているかがカギになります。U.S.CPAは、外資系企業や、アメリカに子会社のある日本の企業には明らかに有利であり、そうした企業で活躍したい人には間違いなくオススメの資格です。

U.S.CPAが有利なのは、経理財務部門だけではありません。たとえばシステムコンサルタントでも、会計モジュールを扱うようなところではニーズがありますし、最近ではCFOがファイナンスだけでなく物流やサプライチェーンも見ているというケースが増えていて、財務の共通言語が分かるサプライチェーンのエキスパートは意思の疎通がスムーズで喜ばれるはずです。会計知識をベースに、他のキャリアに挑戦したい場合でも役立つはずです。

就職以外でも、たとえばアメリカのカルチャーを会計士という側面から捉えられるのはメリットだと思っています。アメリカでは州ごとに州税の確定申告のやり方が違っていて、突き詰めると、それはきっと文化や歴史が違うからなんじゃないかと思います。そういうところに気が付いて好奇心を満たせるのも、U.S.CPAの楽しさの1つだと思いますよ。

 

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