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有元美津世のGet Global!

反論するためにも語学力を!2018.01.30


  今回のBlackface騒動に関する記事には、どれもたくさんのコメントが寄せられていました。「アメリカのスタンダードを押し付けるな」「日本には、独自の笑いの文化がある」といった反論が多いですが、日本語の記事に日本語でコメントしているので、それを読むのは、ほぼ日本人のみです。SNSでの日本語投稿も同じです。

  韓国や中国に対してネットで文句を言う人も多いですが、それも日本語で投稿していて、私は「この人たちは誰に対して発信しているのだろうか???」といつも不思議に思います。(ただネットで憂さ晴らしをするだけでなく)本当に他国に対して抗議したいのなら、日本の媒体で日本語で投稿していても、まったく届きません。

 今回、「欧米人、黒人がアジア人を揶揄するのはいいの?」と反論する人もいましたが、* それを日本語で言って、どうなるのでしょうか? 日本人同士で傷のなめ合い?

 今回の件でも、4年前の航空会社のコマーシャルでも、YouTubeにあげられた動画に対し、各国の人が主に英語で喧々諤々と議論をしています。(それが、日本人そっちのけで、黒人対白人の人種差別議論に発展することが多い。)そこで、日本人によるコメントを見るのは稀です。(日本語でコメントしている人もいますが、もちろんスルーされています。)

 今回の件で、ツイッターで英語で反論したり、YouTubeで英語の反論動画を掲載する人も一部いましたが、海外の人に自分たちの意見を伝えたい、立場を説明したいと思うのなら、相手国の言語または英語で行うしかありません。

 ただし、今回の件で、日本国内で人種差別に関する議論が行われたことは、よかったと思います。たとえ賛同しなくても、「そういう意見もあるんだ」と”気づく”ことは大事だと思います。

反論するなら外に向けて外国語で


 今回の騒動で「日本が人種差別国と思われたら困る」という少数意見もありましたが、残念ながら、もうずっと前から日本は「差別大国」と思われています。それもアジアでも。

 アジアでは、もっとひどい人種差別が行われている国が多いにもかかわらず、**  自国のことはさておき他国を非難するのには呆れますが、はっきり言って、それが”国際標準”であり、言ったもの勝ちです。  

 日本人の多くが海外に対してステレオタイプのイメージを抱いているように、海外の人も日本に対して歪んだイメージを抱いています。未だに、家の中では日本人は着物を着ていると思っている人もいますし、日本が中国の一部であると思っている人など珍しくありません。

大半の欧米人にとって、アジア人は皆、一緒くたであり、日本人、中国人、韓国人どころか、ベトナム人やタイ人との違いなど、どうでもいいことなのです。

 そうした誤った思い込みや歪んだイメージを正すには、そうした場面に出くわす度に、 相手に、それは「違う」と説明するしかありません。

 そうなんです、面倒くさいんです。異文化と接するということは。異文化と共生するというのは、ちょっと海外旅行に行ったり、数日、海外からの客を受け入れるたりした場合の表面的なつきあいでは終わらないのです。異なる習慣や価値観が接すると、どうしても摩擦が起きるんです。

 以前なら、「そんな面倒くさいこと」と思う人は日本から出なければすんだのでしょうが、グローバル化の影響で、日本国内にいても、それではすまなくなってきています。

 「そうじゃない!」「言われっぱなしで悔しい!」と思った人は、海外に向けて反論することを目的に、ぜひ外国語を習得してください。

  

 

 

*  実際に、自分たちに対する差別には敏感なアフリカ系アメリカ人も、アジア系に対し偏見を抱いている人、揶揄する人は多数います。

** 肌の色の黒さで序列ができていて、黒いと病院の手術でも後回しにされ、手遅れで亡くなってしまうといったケースも。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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