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タカシの外資系物語

タカシのオススメ英語学習 ( その 2 )2011.05.31

その例文、「あるある」?

前回のコラムでお出ししました宿題の解答から始めましょう!

 

【問題】 以下の文章を英文に訳しなさい

「 私の部門は、売り上げ前年比 30 % 増を達成しました 」

【解答例】 Our division achieved a 30 % increase in sales year-on-year.


みなさん、いかがでしたか ? もちろん、解答は 1 つに限られたものではありませんので、そこのところはあしからず・・・
さて、私が NHK の 『入門ビジネス英語』(講師=関谷英里子さん)を気に入った理由は、上記の例文を、放送開始の 4 月号冒頭に紹介していたことにあります。どこがすごいかというと、この文章は、ビジネス英語で頻繁に使われるからです。「これを初っ端に取り上げるとは・・・ おぬし、やるな・・・」 そんな感じ。
ポイントは、動詞 “achieve” でしょう。「達成した」というニュアンスを英語で表現したいとき、英語初心者は、この “achieve” がなかなか出てこない。私自身もそうでしたし、私の周りを見ても同様です。“achieve” が、スッと出るかどうかは、第一関門のような気がするのです。


以下の文章をご覧ください。

・Candidate achieved the contracts of \ XXmil in last two years. (候補者は、過去 2 年間のうちに、約XX億円の契約を獲得した)
・Candidate achieved successful project delivery, serving as subject matter expert on engagements. (候補者は、当該分野のエキスパートとして、プロジェクトの成功に貢献した)


これらの文章は、私がパートナーに昇進する際、ある外国人上司が「推薦書」の中で記載してくれた文章です。何かを成し遂げた、と言いたいときには、やっぱり “achieve” なんですよね。


『入門ビジネス英語』では、“achieve” 以外にも、ビジネス英語で頻出の単語を取り上げています。

“launch” ・・・ We will launch two new products. (当社は 2 つの新製品を売り出します)
“implement” ・・・ We will be implementing a new financial rule. (新しい会計制度を導入するらしいよ)


これは私見ですが、これまでのビジネス英語教材というのは、やたらに難しいのが多い上に、「おいおい、こんな会話、実務上、聞いたことがないぞ ! 」みたいなのばかりでした。一方、『入門ビジネス英語』に出てくる単語や文章は、「あるある ! 」の連発なので、すごく腹に落ちるんですよね。『入門』とありますが、私はこの内容をマスターするだけで、実務的にはほぼ十分だと思っています。オススメですよ!

自分の経験と “カブる” 本を探せ !

次は、「読む」英語学習について。本来なら、英語の新聞や雑誌、ペーパーバックスを読むのがいいんです。でも、英語びっちりの文章を読むのは疲れますよね。ましてや、ラッシュの通勤電車なんかで細かい英語の文字を追っていると、フラフラになってしまいます(ヘタレか、わしは・・・)。

そこで私は、「読む」については、ビジネス英語に関する tips (コツ)が書いてある日本語の本を、ペラペラと斜め読みするようにしています。


さて、一口に “ビジネス英語に関する tips (コツ)が書いてある日本語の本” といっても、世の中には膨大な量があふれています。私もこれまでに、この手の本は、おそらく数十冊は読みましたが、書いてあることは似たり寄ったり。既知の内容も多いし、逆に、現実離れした内容も多い。 1 冊読破して、ためになる内容は、 1 つか 2 つ・・・ というのが、大体のパターンでした。

 

が ! つい最近、目からウロコの非常に面白い本に出会ったのです。W・A・ヴァンスという人が書いている 『日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術 エール大学厳選30講』(阪急コミュニケーションズ)という本です(原題は、“English Communication Skills That Move Your Business Forward”)。この本では、英会話だけでなく、英語圏における考え方・文化的背景も踏まえた、トータルな “英語コミュニケーション” の方法が書かれています。
確かに、この手の宣伝文句が付された本は、たくさん出ています。私も相当だまされてきました。しかし ! この本は違う ! 書いてあることのほとんど全ては、私自身が実体験として経験したものなのです。「あるある ! 」の世界が満載、つまり、非常に実践的な本なのです。


例えば、“I’m sorry” の使い方。一般には、「日本人は “I’m sorry” を多用するが、訴訟社会のアメリカでは、相手に付け入られる余地を与えるので、使うべきではない」という考え方があります。これははっきり言って「都市伝説」のようなものでして、アメリカ人だって、“I’m sorry”と謝るときは多々あります。

 

実は私、この都市伝説というか、“sorry” にはかなりのこだわりがありまして、コラムでも過去に何度も取り上げてきました(『手荷物チェックに見る“外資流アクション”とは ? 』、『トヨタ・リコール問題 と 外資流対応』、『「社内英語公用語化」 について』 等々参照のこと)。W・A・ヴァンス氏は、「“I’m sorry” を多用する人は、内気で何事にもネガティブな人だという印象を与えるので、やめたほうがいい」と書いています。これもその通り。私が『「社内英語公用語化」 について』で指摘しているように、「sorry, in Japanese ・・・(すみませんが、日本語で失礼します・・・ = 外国人と日本人が混在するミーティングで、日本人同士が日本語で会話するときに多用されるフレーズ)」も、外国人には同じニュアンスを与えます。「語学力云々の前に、こんな弱っちいやつとは組みたくないな・・・」という印象ですね。まさに、「あるある ! 」


また、“can” の発音には気をつけろ、とも書いています。これは、アメリカ英語では、文中の“can” は、「キ(キャ)」程度に弱々しく発音され、はっきり「キャン」と発音すると、“can’t” を意味してしまい、全く逆の意味になる、ということです。これについては、私も『タカシの “ビジネス英語力測定”』 において、全く同じ指摘をしています。


私はこのコラムで、自分の身に実際に起こったことしか書きません(フィクションを書くほど想像力がないので・・・)。それと同じことに触れているということは、W・A・ヴァンス氏のこの本が、非常に実務・実践的だという証左でもあります。自分の体験と一体化すると、英語学習というのは一気に進みますよね、絶対に忘れませんから。


私にとって、通勤時間を使った英語学習は、肩のこらない趣味のようなものです。しかし、肩がこらないからこそ、英語学習にとって必要な、“継続性” を実現しているようにも思います。みなさんも、自分なりの「肩のこらない英語学習法」を見つけて、一緒に継続していきましょう。 


Practice makes perfect !
Rome was not built in a day ! 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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