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タカシの外資系物語

“グローバル人材育成プログラム”にモノ申す ! ( その 3 )2011.12.20

ハロウィン・パーティにて

前回の続き) 今回も、タカシが思う 「グローバル人材育成プログラムに盛り込むべき “方針” 」 の続きです。社会人になって海外経験をしたことのある同僚に、「海外で、その後の “人生観” に最も影響を与えた事柄は何か?」と尋ねると、多くの人が、仕事や勉強よりも、「日常生活」だと答えます。これは、どういうことでしょうかね? まずは、その話題から・・・


「Trick or Treat !(※) Trick or Treat ! わーーーーー!」

(※「Trick or Treat ! 」 とは、「お菓子くれなきゃ、いたずらするぞ ! 」という意味。ハロウィンで、子供達が仮装をして各家庭を回り、この言葉を言う。言われた方は、「Happy Halloween ! 」 と答えてお菓子をあげることになっている。蛇足ながら、子供たちの “各家庭行脚” が済むと、恐ろしくジャンキーな駄菓子が家に溢れることになるので要注意・・・)

 

先日、娘が通う幼稚園のママ友のおうちが “ハロウィン・パーティ” をやるというので、家族全員でお呼ばれしてきました。前にもお話したと思いますが、うちの娘はインターナショナルっぽい幼稚園に通っており、このようなイベントが、各家庭持ち回りで行われてます(娘の幼稚園でのママ友(パパ友)の様子は、『日中伊パパ友 3 人、白昼のバトルトーク ?!』参照のこと)。その日のパーティでは、(予想通り?)パパの多くが、フランケンシュタインやダースベーダーの仮装をして参加していました。


うちの奥さん 「あなた、ヤバイわよっ ! うちだけ、仮装の衣装、何も用意していない・・・」
私 「そ、そうだな・・・」
確かに、うちの家族だけ 普段着=“素” の状態で、パーティ会場にいます。その様を見て、娘は今にも泣き出しそうな顔・・・ 「パパは、変身しないの ? (T-T)」

 

こ、このままでは家庭不和につながりかねん ! 私はダースベーダーに扮している中国人パパをつかまえて、何か余っている衣装がないか尋ねてみることにしました。
私 「You looks like good ! By the way・・・, do you have any other costumes ? 」
ダースベーダーに扮した中国人パパ 「Ahhhh・・・, oh ! you can take it ! 」

 

彼が手渡したのはC-3POのお面 2 つ・・・。早速私は、奥さんとともに、そのお面をつけてみることにしました。 が ! 顔はC-3POでも、首から下は、依然として “素” の状態・・・。 それを見た娘が一言。 「そんなのヤダーーーーーーーーっ(T-T)(T-T)」


どないせぇ、ちゅうんじゃ・・・ ! こっちが泣きたくなるわいな・・・(T-T)(T-T)(T-T)

「紙おむつの一個売り」がヒットした理由

 

その日お呼ばれしたおうちは、パパ・ママとも、純粋ジャパニーズです。ただし、ママは学生時代に、アメリカで一年間の留学&ホームステイ経験があるとのこと。あまりにパーティ慣れしているので、その極意を聞いてみると、
「アメリカでは、その地域に溶け込むために、ホームパーティの開催が必須なのよ。英語は忘れちゃったけど、ホームパーティのやり方だけは忘れないわ ! 」

 

そのママの様子を見ていると、パーティ開催の方法論に長けているというよりは、要は対人コミュニケーションがうまいんですよね。アメリカ人が総じてコミュニケーション上手なのは、教育や訓練というよりも、幼少期からの “ホームパーティ経験” が大きく寄与していると実感しました。

 

自分自身を思い返してみても、出張や研修で海外を訪れた際、「現地に馴染んだなぁ・・・」と実感するのは、OFF での日常生活経験だったりします。ニューヨークの喧騒の中を同僚と飲み歩いたり、ロンドンでセレブなお茶会に出席したり、シンガポールの屋台でドリアンを食べたり・・・ ま、観光と言ってしまえばそれまでなのですが、そのような現地での実体験が、異なった文化や考え方を受け入れる能力を高めてくれるような気がします。

 

また、「この国で、このマーケットで、わが社はどのような製品・サービスを提供することができるだろう ? 何を作れば売れるだろう ? 」と考えることも、いい経験になります。すでに日本で売れている製品を押し付けるのではなくて、その国の消費者の立場で、自社製品を見つめ直すことこそが、グローバル人材に求められる「イノベーション能力」の開発につながるように思います。

 

例えば、某・紙おむつメーカーが、東南アジアで、「紙おむつの一個売り」をして販売を伸ばしています。少し考えれば、「東南アジアの平均的な家計所得では、日本のように高品質おむつの大量パックは買えない」という常識的な発想が思い浮かびますが、その机上の発想だけでは、「ならば、低品質おむつの大量パックを作ろう ! 」となってしまいます。しかし、これでは売れない(実際に、低品質おむつの大量パックは全く売れなかったようです)。現地の生活に密着する中で、「東南アジアでは、普段はおむつをしない赤ちゃんが多い。しかし、いざというイベントでは、高品質なおむつをつける」というニーズに気付いたからこそ、「高品質な紙おむつの一個売り」ヒット商品につながったわけです。

“現地基準” で考えさせろ !

ということで、グローバル人材育成プログラムに加えるべきメニューとして、私は以下を推奨します。

 

(方針 4 ) 帰国後に幹部向けプレゼンを課すなら、「△△国における新規ビジネス企画」を提起させる
 

その心は、せっかく海外に行かせたのですから、地元の生活に密着させて、その国のニーズを発掘させてみるわけです。現地社員の自宅に、ホームステイさせるなんて手もあります。そうすれば、ニーズが見えてくる。帰国後に、それを発表させればいいのです。


しかし現実には、レポートとして課されるのは、「○○国の工場における改善点」などといった、日本基準ありきのものばかり。これではもったいない ! 日本のマーケットが飽和しているから、販路を海外に求め、そのためにグローバル人材育成に投資しているのに、これでは本末転倒もいいところ。若い人には冒険させて、その自由な発想と可能性を開花させてやるべきだと思うのですが、いかがでしょうかね ? 

 

さて、もうすぐクリスマス。クリスマスのホームパーティは、わが家がホストになることに決まっています ! (汗っ) ハロウィンの “教訓” もあり、私ことタカシ・サンタは、かなり張り切っています ! 全身サンタの本格衣装に、トナカイ役として愛犬ゴルゴ(ゴルゴ、すまん)・・・ おっと、娘には当日まで内緒にしておいてくださいね ! 

 

Happy Merry Christmas, especially for you !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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