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鈴木美加子のグローバル人材塾

自分の意見を言う習慣をつける2022.07.05



元外資系人事部長、元グローバル人材育成かの鈴木Mikakoです。本日のテーマは、 外資系で仕事をするときに必須となる「自分の意見を言う」習慣をつけるです。


日本人は教育の過程で、自分の意見を人前で言うように育っていません。外資で仕事を始めると、これでは不利になります。


例えば英語での会議では、誰かがまだ話しているのに他の人が割り込む事は、当たり前のように発生します。会議で意見を述べず、質問もしない人は参加していないとみなされて、2〜3回そういう状態が続くと、会議そのものに呼ばれなくなります。素晴らしい意見でなくても良いので、自分がどう思うかを発言できる事は重要なのです。


ロンドンで10年仕事をされていたデザイナーの方が、経験談をClubhouse朝活でシェアしてくださいました。大学院で学んでいた時、スーパーでアルバイトをしていました。同じくアルバイトの人たちが経営陣に対して、待遇改善の意見をしていることに驚いたそうです。彼女たちの立ち位置は、「ただ雇われているわけではなく、私たちがいるからお店の経営が成り立っているのだから対等」だそうです。 日本の場合は、「雇ってもらっている」という立ち位置になりがちなので、考え方の違いは目から鱗だったそうです。


大学院を卒業して、彼女はデザイン・スタジオに就職しました。英語ネイティブの人に囲まれて唯一の日本人だった彼女は、なかなか自分の意見を英語で言う勇気が出なかったそうです。ある時、デザイン会議の途中でふとアイディアを思いついたので、ノートの切れ端にデッサンをしていました。隣に座っていて覗き込んだ人に、「いいアイディアだね。なんで言わないの?」と声をかけられたそうです。


彼女的には 意見を聞かれなかったので自分からは言わなかっただけです。 それではダメだと気がつき、少しずつ自分の意見を伝えるようになったそうです。彼女はデザインの分野にいるので、どうしても英語で伝えられないときには、ホワイトボードに「書く」ことで何とかしていたそうです。


昇進していくには、反対意見を述べるスキルも必要です。日本では「反対意見」イコール「相手を批判している」と、人間重視 > 結果重視の考え方になりがちです。英語圏は、結果重視 > 人間重視の価値観なので、より良い成果を求めて議論をすることは良いことで、相手を個人的に痛烈に批判するようなことをしなければ、相手もフィードバックとして受け止め、反論するなり同意するなりしてくれて、全く問題ありません。人間関係と仕事が紐づかないのです。


さて、私はと言えば初めての職場時代 GE Japanで、 上司に恵まれたラッキーな人です。彼女は、何の経験もない私に折を見て、「美加子さんはどう思うの?」 と聞き続けてくださいました。日本育ちの私は、入社して目の前の仕事を覚えることで精一杯、ほとんどのことに自分の意見はなかったです。それでも直属の上司に何回も問い続けられるうちに、「意見がないとダメなんだ」と理解し、何とか自分の拙い意見を持とうとしました。人間は習慣の生き物なので、だんだん努力しなくても自分の意見が言えるようになりました。


当時私は人事部のアシスタントで、 とても優秀だった上司の業績評価を見られる立場にいました。アメリカ人社長の彼女の評価には「She is candid but fair」(率直にモノが言えてフェアである) との表記がありました。自分の意見がある事は良いこと、言い方には気をつける必要があるけれど、言うべきことを言えることを外資は評価する表れです。


最初から素晴らしい意見を言う必要はないのです。正確には、経験値・スキルが伴わないジュニアな時代から、凄い意見を言うのは無理かもしれません。それでも、上司や周りの人が、どのように英語で討論しているのかを学び、試してみる勇気を持つことはできます。外資にいるのに、「自分の意見を言うこと」に控えめと思う人は、ぜひ今日からチャレンジしてください。


外資系では、「自分の意見・主張」を言えることが大切です。発言しない人は、仕事ができない・頭が良くないなどの誤解につながりかねません。完璧主義の傾向にあり、人前で発言することに抵抗を持ちがちですが、外資を目指すなら、また外資で昇進したいなら、この壁を乗り越えて行きましょう。



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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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