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鈴木美加子のグローバル人材塾

【ご縁を大切にするキャリア形成】2022.09.06


元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。本日のテーマは、キャリアを築く過程でご縁を大事にする。

毎朝Clubhouseで8:15から15分間、朝活をやっています。先月、GE卒業生の社長が「ご縁」をとても大事にしていることを、シェアしてくださいました。彼はAmazonに在籍されたこともあり、キレキレのアメリカ流ビジネスマンの一面と、東洋のマインドを併せ持つ不思議な魅力の人です。

反りが合わない上司とも、巡り合ったのは「ご縁」。反面教師と捉え、仕事は仕事と割り切って職場では過ごすそうです。転職後もたまに連絡を取り、食事をして仕事やプライベートの話をしていくうちに、「一人の人間」としてそんなに悪い人ではないとわかることも多く、ここぞという大事な場面でアドバイスをもらえているとか。彼は器が大きいですね。

器がまだまだ小さい私も振り返ってみました。上司運は有難いことに良い方で、ソリが合わない上司はいなかったのですが、同僚レベルですと合う合わないはあり、合わない人はどちらかというと避けておりました。まだまだと反省しきりです。

転職の場面でも彼の「ご縁」を信じる力が発揮されています。先方からお断りのメールがあった時、「良い候補者が見つかりますように。御社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます」と返信していたとか。これなかなかできないです。断られた時点で、がっかりしたりダメならもっと早く知らせてくれと、思ってしまうのが人間の心理。相手のベストを願ってあげる心の余裕はさすがです。

こうすると、採用担当からまたお返事があってご縁が続き、一度断られた会社から数年後に再度お声がかかったことが3回、別々の会社からあるそうです。ご縁を切らないことで、次のチャンスが生まれることがあることの証で、勉強になります。

人事時代を思い出すと外資の採用チームは常に多忙で、つい新しい面接の設営が先になって「お断りする」と決まった候補者へのフォローが遅れがちになります。そんな中、応募先の会社にエールを送れる候補者は皆無と言ってよく、記憶に残る人材になること理解できます。

採用活動中のご縁と言えば、自分の部署の採用でリーマンショック時にお目にかかった候補者が実力ある人で、私の部下になるのはおかしいなと感じたことがあります。「私があなたの部下になるのはわかるけど、あなたが私の部下になるのは変なので今回は見送らせてください」と正直に伝えたことがあります。

その後、一度ランチをして、リーダーシップ研修の英語の資料を日本語に翻訳する作業が生じた時にお声がけしてみました。研修分野のエキスパートで日本語・英語に問題ない彼女の、翻訳は全く手を入れる必要がないレベルの仕上がりでした。それから14年。今、彼女は私の親友のです。仕事の上でも同じ分野にいるので、お互いに知恵を出し合ったり自分ではできない仕事を回したりと、サポートしあう仲。不思議なご縁だといつも思っていましたが、前出の社長の言葉を借りれば「ご縁を大事にした」ということなのでしょう。

縁とは、人と人を結ぶ人力を超えた巡り合わせを意味するそうです。仕事を通して無数の巡りあいがあるのも、みんなご縁。繋ぐかどうかは皆さん次第ですが、目先のことだけを考えないで長い目で捉えたいです。

わかりやすい例を一つ。ご縁と言えば思い浮かぶ18年前の元同僚がいます。ある会社を卒業してからも1年に1回くらい会っています。昔の人事の同僚として、転職が多い彼のレファレンスを何回も転職先の人事の方に話しました。(注:レファレンスは、以前の仕事ぶりについて15分くらい電話で話をすることを指します)。その時点では私の方がやってあげることが多く、好意のバランスシートはwin-winにはなっていませんでした。私は生まれつきGiverなので気にしていませんでしたが、自分にお返しがないことが気に入らなかったら、ご縁はどこかで切れたかもしれません。

人間関係は長い目で見るべきと痛感するのは、私が独立してから元・マーケティングディレクターの彼に、いろいろお世話になり好意のバランスシートは完全にwin-winになり、もしかしたら逆転するかもしれないからです。二人の人間関係が長く続いたのは、目先の利害だけで繋がっていなかったからでしょう。利害にとらわれ過ぎると、自分にプラスがあるかに敏感な人を引き寄せます。人生何があるかわかりません。例えば、事故に遭って大怪我をした、勤め先がM&Aで失職したなど、自分に社会的な力がなくなった途端にほとんどの方が離れていくことになります。「好意」は巡り巡って、誰かから帰ってくるくらいに思っていた方が、良質な人間関係を築けます。

本日は、ご縁でキャリアを形成するについてお届けしました。人生を長い目で見て、巡り会う方々とのご縁を大事にできますように。


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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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