2024年の冒頭に価値観を確認する
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元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。明けましておめでとうございます。今年も皆さんのお役に立てるコラムを執筆していきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

転職を考えている方もそうでない方も、一年に一度書き初め感覚でトライして欲しいのが価値観の並び替えです。自分を幸せにしてくれる価値上位3つを把握しておくと、決断が必要な時に迷わないで済むからです。

特に転職を考えている人は、活動を始める前に自分が次の仕事・職場に求めているものは何かを確認してから転職活動をスタートすることが理想です。

【価値観の並び替えワーク】

価値観は時とともに変化していきます。2024年の今、自分が人生に求めるTop 3は何でしょうか？

上の欄外にある価値観を、表の中にある「最重要」「重要」「普通」「あまり重要でない」「不要」の下に並べてください。最重要の列だけは、1番上に最も重要なものを置き、だんだん順位が下がるように並べてください。

「最重要」の列の上から3つが、今、自分にとって最も重要な価値です。

何が自分にとって重要なのかがはっきりしていれば、そもそも面接に行くかどうかを迷うこともありませんし、ラッキーなことに複数社から内定をもらえた時にもどの会社を選択すべきか明白です。たまたま面接官が感じ良かった、自分が思っていたより給与のパッケージが良かったなど、想定外のことが起きるたびに軸がぐらぐら揺れるのを防いでくれます。

素晴らしい面接官で、この人の部下になりたいと思ったところで、実際に入社後、その面接官だった方がすでに転職してしまい、もう在籍していないかもしれません。給与パッケージは、その人の人材としての価値をフェアに図るものであり、高すぎる時は、労働時間が長い・求められる仕事のレベルが高すぎてついていけないなど、入社してから大変になる可能性も示唆しています。

以前、知人に内定決めの相談をされたことがあります。彼はこれまで3社、知名度が高い企業に勤務してきました。2社から内定をもらったとのことで、会社情報が送られてきましたが、どちらも有名企業ではありませんでした。そのこと自体は価値観が変わったと捉えましたが、なぜこのA社とB社が並んでいるのだろうと疑問に思う企業2社なのです。

価値観の並び替えワークをやってもらったところ、案の定、最重要の列に並んでいるものに一貫性がなくバラバラでした。自分自身を整理できていないか、いろいろ迷いの中にあり、何が大事か断捨離できないのでしょう。どうしてもそのタイミングで転職する必要は無かったので、内定を両方断ることになりました。それから1年後、自分に取って大事な価値がスッキリまとまったタイミングで転職活動して、彼にとって理想の職場を得ることができました。

私自身の経験もシェアします。私のトップ2は10年間「グローバル」「多様性」なのですが、ある時、自分の仕事に違和感を少し覚え価値観の並び替えワークを行いました。全く自覚していなかったのですが、「家族」「健康」「グローバル」「多様性」の順番に変わっていました。

当時、家族が体調を崩しており、私の中での優先順位が知らない間にかわっていたのです。一番負荷がかかっていたビジネスを一旦ストップしました。それ以来、年の初めに価値観の並び替えをするのが習慣になっています。

転職活動はご縁とタイミングが全てです。自分の内側が整っていてこそ、有難いご縁をたぐり寄せたり、決断のタイミングを間違えずに選ぶことができます。転職活動を始める前に、あるいは活動中にも自分を幸せにしてくれる価値の把握をしっかりしてください。応援してます!