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鈴木美加子のグローバル人材塾

英語でNOを伝える2024.03.12

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、英語で上手に断るです。

“NOが言えない日本人”は書籍のタイトルになるほど、有名な事実です。日本人は断ることが苦手で、あんまりにもやんわり言うので外国人に伝わらないことが多いです。 ではローコンテクストで明確に物を言う英語圏では、”No”をどのように伝えるのでしょうか?

先日、ちょうど良い例題になるような出来事がありました。LinkedInで知り合った外国人とオンラインで、コラボの可能性を話すことになりました。オンラインで初めてご対面なので、お互いの自己紹介をしてお互いの商品を説明しあいました。彼の商品説明が終わった後、いきなり”Can you introduce me to your Japanese clients?”(あなたの日本人のお客様に私を紹介してくれる?)と言われたのです。

正直びっくりしました。SNSでゆるーく繋がってきただけで彼のことをまだよく知りません。今、説明されたけれど商品の内容も本当に良く理解したかと言われたら疑問の状態で、私のお客様に紹介する???

非常に困り、”Yes, only if my Japanese clients are looking for services you provide.”(私のお客様があなたの商品を探していることがあったらね)と逃げました。オンライン・ミーティングが終わってから、この状況でネイティブ・スピーカーならなんて言うんだろうと興味が湧き、それからオンライン英会話で元エグゼ4人に聞いてみました。国籍はそれぞれ、アメリカ人・カナダ人・イギリス人・オーストラリア人です、

鍵は、”Diplomatic, but firm” だそうです。そのままストレートにNOは彼らも言わない、ただ期待を抱かせるようなことをほのめかさないそうです。

この状況で相手に伝えるべきは以下です。

- あなたのことをまだよく知らない
- あなたの商品についても、まだよく知らない
- 自分にとってお客様は大事なので、簡単に紹介するような無責任なことはできない

あとは英語でどう伝えるかですね。

“I would like to know you and your products better. My Japanese clients' needs may not match with your company's services.” (あなたのことと商品をもう少し良く知りたいです。私のお客様のニーズと合うかどうかわからないから。)

なるほど、はっきり “I can't introduce you to my Japanese clients as I don't know you well.” (あなたのことをよくまだ知らないから、私のお客様に紹介することはできない)とは言わないんですね。英語圏はローコンテクストではっきり言うかと思いきや、仕事の場合は利害関係があるので必要以上に明確には言わないのが、興味深く勉強になりました。

また上手いなぁと思ったのは、 ”If my Japanese clients inquire, I will redirect him/her to your Web site.” (お客様から問い合わせがあったら、あなたのWebサイトを教えますね。) です。紹介する気持ちはあるけれど、お客様からの問い合わせ次第にしておくところが上級者と感じました。

そしてもう一つの学びはいろいろな言い方があり、はっきり言う人もいるということです。 一人、”I don't know you well enough to introduce you to my Japanese clients. What do I gain out of this?” (あなたのことを良くわかっていないので、私の顧客を紹介するのは無理です。そもそも私に何の利益がありますか?) と、自分なら言うと教えてくれた人がいました。かなりストレートな物言いで驚きました。

よく考えれば、日本語も表現が豊かなので言い方はいくらでもありますし、人によって好みのコミュニケーション・スタイルは違うということなのでしょう。日本語だから婉曲的、英語だからはっきり物を言うと決めつけず、状況によってベストな物言いができるようになりたいです。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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