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シンガポールで働くには?~シンガポールのお役立ち就労情報&生活情報~2014.05.26

日系企業が東南アジアに進出する際に、まず拠点候補として挙げられるシンガポール。金融、貿易、交通、物流、情報、教育など、あらゆる分野のハブとして機能しており、世界中から「ビジネスがしやすい国」として認知されています。

 

また、法人税が非常に低い(最大17%)など税制メリットが高いため本社機能をシンガポールに移すという企業も増えています。このような状況から、東南アジア方面で働きたいと考えている人にとって、シンガポールは就労における選択肢は比較的豊富と言えるでしょう。

 

今回は、シンガポールに就労する際の基本情報や豆知識、生活情報などをまとめてご紹介します。

シンガポールの基本情報

国名: シンガポール共和国  Republic of Singapore
首都: シンガポール
面積: 約700km²(淡路島や東京23区とほぼ同じ大きさ)
人口: 540万人(2013年)
公用語:英語、マレー語、華語、タミル語
通貨: シンガポール・ドル(SGD)
 ほとんどの商品にGSTと呼ばれる消費税(7%)がかかる。
宗教: 仏教・道教(51%)、クリスチャン(15%)、イスラム(15%)、 ヒンズー(4%)
民族: 中華系(76%)、マレー系(14%)、インド系(8%)、白人その他(2%)
気候: 熱帯性モンスーン気候
赤道直下に位置するため、一年を通じて高温かつ多湿。年間平均最低気温が25度、最高気温が32~33度程度。一年中、朝7時頃に日の出、夜7時頃に日の入り。
雨季(11〜2月)比較的気温が下がり、湿度も高い。
乾期(3〜10月)雨季に比べて雨は少ないが、突然のスコールには注意が必要。

 

東京から飛行機で約6時間、時差は1時間。サマータイムはありません。民族、宗教、言語を見ても非常に多国籍ですが対立などはほとんどありません。ビジネスにおいては英語が用いられることが多いですが、4つの公用語も全て平等に扱われ、標識などは4か国語での表記が一般的です。

 

また日本同様に、デパートや飲食店は一般的に10~22時くらいの営業時間で、セブンイレブンなどのコンビニエンストアは24時間営業しています。他の近隣東南アジア諸国に比べて非常に都市開発が進んでおり、治安が良く国際色の強い都市です。

徹底した“人材戦略”~外国人4割に国民は不満の声も~

シンガポールは、資源を持たない狭い国土でありながら、1965年にマレーシアから独立して以来目覚ましい発展を遂げてきました。その理由の一つに、建国の父であるリークアンユー初代首相が行った徹底した“人材政策”があります。

 

まずグローバルな人材を育てるための教育として、英語+母国語(中国語、マレー語など)の二か国語教育と、小学校から階級制度によるクラス分けが行われるエリート教育があります。こうして育てられたエリートは、実力次第で若くても高級官僚になることができます。またそうした教育制度や質の良い行政、治安の良さなどを活かし、将来国民になり得る留学生への奨学金制度も充実させ、知識集約型産業を支える人材として外国から高度人材の受け入れを積極的に行ってきました。

 

しかしながら、2012年には人口の約4割が外国人という比率となり、増加する外国人に対し国内のインフラ整備が追い付かず、公共住宅の価格が高騰、公共交通機関も混雑するようになったことから国民の不満も上がっています。政府はこうした国民の声を受けて、外国人労働者のビザ発給条件を厳格化するなど制度の見直しが行われ始めています。

シンガポールにグローバル企業が集まる理由と、求人状況

シンガポールはASEANの中核としての機能を果たし、P&G、ユニリーバ、ソニーなどの名だたる多数のグローバル企業が拠点を置いています。各企業がシンガポールを重要な拠点とするのは以下のようなメリットがあるからです。

 

<シンガポールに進出するビジネスメリット>
 ・政治が安定しており、政府が効率的に機能している
 ・法制度、航空、港湾、通信、交通網などビジネスインフラが整っている
 ・公用語として英語が採用されている
 ・法人税率が17%と低く、キャピタルゲインが非課税
 ・会社設立が容易で、100%独資(個人株主・会社株主)が認められている
 ・世界中の航空会社が就航しており、また他のASEAN諸国に飛行機で3時間以内とアクセスが良好

 

シンガポールには多くの企業が集まっているため求人には多種多様な職種がありますが、IT関連のエンジニアを除き、工場関連のエンジニアなど技術職はマレーシアやインドネシアなどに比べ少ないと言えます。

 

<求人が多い職種>
営業(特に電子部品)、営業事務、コールセンターオペレーター、経理、秘書(通訳・翻訳業務兼務など)、カスタマーサービス・接客(日本食レストラン・旅行代理店など)、IT関連エンジニア、金融関連プロフェッショナル(アナリスト・ブローカー等)

※小規模オフィスでは、営業事務兼総務兼秘書といったマルチタスクの職種も見られる。

滞在に必要なビザと、就労に必要な就労ビザ&労働許可証の取得方法

シンガポールに訪問する際、観光目的で1回の滞在期間が30日未満であれば日本人ではビザは必要ありません。ただし、この場合にも、シンガポール入国時にパスポートの有効期限が6カ月以上であることが必要となります。またe-XTENDというオンライン申請により、滞在期限まで2営業日以上あれば、現在の滞在有効期限から30日間延長できます。

 

滞在でビザが必要になる場合
・滞在期間が30日以上の場合
・観光以外の目的(留学・就労など)の場合

 

ビザはシンガポール大使館やシンガポール領事館で受け取り可能ですが、近くに大使館などがない場合には、ビザ取得の代行業者を利用すると良いでしょう。

 

※シンガポールの情勢上、ビザの申請や取得について変更される可能性があります。最新情報は在日大使館もしくは領事館にてご確認下さい。
外務省 駐日外国公館リスト 

 

シンガポールで就労を希望する場合には、有給・無給を問わず、就労ビザが必要です。

就労ビザは就労予定企業から人材開発省(MOM)に申請します。通常、就労ビザの申請から承認には、2週間~1ヶ月程度、1年から2年程度の有効期限付きとなります。有効期限満了時には、雇用主より更新の手続きを取ることが可能です。就労ビザには以下の種類と条件があります。

 

<シンガポールの就労ビザの種類と申請条件>
EP(エンプロイメントパス)管理職・専門職向け
一定以上の学歴もしくは特殊スキルを持っており、且つ給与が以下の金額
 月額の固定給料額8,000ドル以上 → P1
 月額の固定給料額4,000ドル以上 → P2
 月額の固定給料額3,300ドル以上 → Q1

Sパス 中技能向け(EPに当てはまらない人)
 専門学校、短期大学もしくはそれらと同等かそれ以上の学歴を持っており、月額の固定給料額2,300ドル以上

 

その他、就労者の家族のビザ(DP ディペンデントパス)なども別途あります。

 

<就労ビザ取得に必要な書類> ※就労予定先企業に提出
・パスポートのコピー(有効期限6カ月以上のもの)
・最終学歴証明書(英文・オリジナル卒業国のもの、コピー可)
・証明写真(1枚、パスポートサイズ)
※準備できれば揃えた方がよいもの
・成績証明書(英文・オリジナル卒業国のもの、コピー可)
・前雇用者からの推薦状又は在籍証明(英文、コピー可)
・その他、資格証明書、コース修了書等(英文、コピー可)

 

他のアジア諸国に比べても、外国人の就労ビザが比較的取得しやすいシンガポールですが、国民の雇用機会創出のため、年々就労ビザが取得しづらくなりつつあるのも現状です。


また、就労ビザは雇用関係を原則として承認されるので、退職・転職の場合には有効期限内であってもビザは無効となります。転職時には新たに転職先企業から人材開発省(MOM)への手続きが必要となります。

物価、住宅、食事、交通など生活環境は?

<通貨・物価>現在使われている主流通貨はシンガポール・ドル(SGD)。1 SGD ≒81円です(2014年4月)。小さな飲食店、スーパー、コンビニなどではシンガポール・ドルのみ使えますが、観光客が訪れるような場所はUSドルや日本円も使用可能。クレジットカードも利用可能なところが多い。物価は日常的な衣食にかかる生活費は日本より2~3割安い。

 

<住宅>シンガポール国民の約8割が住んでいるHDB Flatと呼ばれる公団住宅。HDB Flat には原則的に外国人は購入することも賃貸で住むこともできないが、中には賃貸許可を得たHDB Flatもある。月々の家賃相場は、1部屋であっても2,000SGD~で非常に高額。そのためルームシェアも一般的で、その場合にはひと月800 SGD~1,500 SGD程度が相場。

 

<交通>地下鉄(通称MRT)やバスが国民の足。地下鉄の運賃は1SGD前後、バスも80セントからととても安価に利用できる。またタクシーも初乗り(最初の 1km)は3SGD程度で利用しやすい価格。タクシーは日本同様、深夜割増料金が発生する場合があるので注意が必要。

 

<食事>多国籍国家のため、中国、インド、マレー、 インドネシア、フレンチ、イタリアン、日本食など多彩な料理を食べることができる。屋台(ホーカー)や庶民的な飲食店であれば低価格で本場のローカルフードを味わえるのでおすすめ。ただし酒税の影響でシンガポールではアルコールの値段が高く、バーではビール1杯1,000円程度。

外国企業の進出も盛んで、治安や経済状況も比較的安定しているシンガポール。シンガポールで働くためには労働許可証が必要となりさまざまな条件がありますが、求人は近隣アジア諸国と比べても少なくない状況と言えるでしょう。

 

就職を考える際には、可能であれば事前に現地に出向いて、気候や食事などの生活も含めながらよく検討することをおすすめします。

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