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企業を知るための方法はたくさんあります。
コーポレートサイトを見る、各企業が発信しているIR情報を見るなどはその代表例です。しかしそれ以外にも、例えばマーケティングの代表的なフレームワークでもある4Pを考えるという方法があります。
4Pとは、Product、Price、Place、Promotionの4つの頭文字であるPを指しています。この4Pは、企業が自社製品などをマーケット分析するときに使われるフレームワークです。よって、4Pを知ることはその企業が自社製品をマーケットのどのような位置づけにしたいかということを知ることにつながります。
ここでは、マーケティングの4Pとは何かについて考えてみましょう。
まずProductのPです。
Productは、その企業の「商品やサービス」そのものを指します。商品やサービスについてはすでに知っていると思う場合も多いかもしれません。
しかし、消費者の興味や嗜好に関する変化スピードは年々速くなっており、企業もそれに追随するために思わぬ新商品やサービスを提供している場合などがあります。あるいはSNSなどを使い、消費者に意見を聞きながら商品開発・研究などを行っている場合などもあります。
すでに知っているという固定概念に囚われず、入念にチェックしておきましょう。
次はPriceのPです。
Priceは価格です。価格は、例えば同業他社と比較してその商品が高価格か低価格かなどを確認することで、その企業の価格戦略がわかります。
価格を高めに設定していれば品質やブランドイメージを重視している、安めに設定していればターゲットとなる消費者への認知を高めようとしている、あるいはマーケットシェアを高めようとしているなどです。
また、価格の推移が確認できれば、これまで価格戦略がどのように遷移してきたかを推測することも可能になります。他社との比較、時系列の比較などを行ってみましょう。
3つ目はPlaceです。
Placeは、商品やサービスの流通経路、販売場所などです。このPlaceは交通・流通網の変化により、劇的な変化を遂げています。
例えばこれまでは店舗販売しか行っていなかった企業が、インターネット通販などで限定商品を消費者に直売するようになった、などです。店舗販売と消費者への直売は、流通に関する業務やコストが劇的に変わります。よってこれは大きな企業戦略の転換を意味するということになります。
また、これまでは通販では一定の送料がかかるのが常識でしたが、今は送料無料を打ち出す企業も出てきています。そして「ショールーミング」という消費者の行動も、このPlaceの変化によるものです。
これに対して、不利な状況に立たされつつある店舗販売も規制緩和などを受けて販売店舗を多様化させています。このため、このPlaceについての施策には、企業を知るための非常に大きなヒントがあると言えます。
最後はPromotionです。
Promotionは、広告や販売方法などのことです。Promotionは、その中心がかつてのテレビや雑誌などのマスメディアからインターネット、特にソーシャルメディアへ移行しつつあります。
ソーシャルメディアはこれまでの広告とは異なり、商品などが気に入った消費者による「拡散効果」があることに特徴があります。この拡散効果が高まれば、企業は自ら消費者を追いかけることなく、認知度の上昇につなげることができます。
このため、今は例えばソーシャルメディア上で商品の広告とは思えないような「オモシロ広告」を流す、消費者にクイズを出して盛り上がりを演出するなど、これまでの広告イメージを一新するものが続々登場しています。そして参入の容易さから各企業がこぞってソーシャルメディア活用に乗り出すなど、今最も旬の分野となっています。
ここまで、企業側の視点による4Pによるマーケティング戦略から、企業理解を考えてきました。そして今は、企業側だけではなく消費者側の視点から捉える4Cというフレームワークも重視されるようになっています。
4Cとは、Consumer(消費者)、Cost(消費者にとっての費用)、Convenience(消費者にとっての利便性)、Communication(消費者とのコミュニケーション)のことです。
現在は消費者志向のマーケティングも必須となっており、この4Cというフレームワークで考えると、よりその企業の「顧客に対する考え方」が理解できるようになります。余裕があれば、志望する企業について4Cの視点でも考えてみるとよいでしょう。